内容説明
謎の重力波源は、回転するブラックホールの多重複合体と判明。だが、観測を続行するユリシーズは、重力波源との衝突の危機に陥る。それを救ったのは、作業体Kと呼ばれるサイボーグだった。未来におけるユリシーズの遭難を見たKは、過去に干渉して艦を救おうとする。やがてKはブラックホールに落ち、未来へと転生するが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジロリン
11
再読。長いこと"凡銀河連合と航空宇宙軍の死闘をきちんと描かず、中途半端に放り出された物語"と思ってましたが、この上・下巻でしっかりと描かれてました。なんでそんな風に思い込んでたのか不思議w…妙に"自我"があの時代この時代、あの人物この人物へと、自由自在に行き来するから、ちょっと幻想的な読み味になってしまい、自分の求めた"ハードな未来戦史"とずれていたからか。ともあれ、再会されたシリーズが、第2次外惑星動乱を描くことの意味がわかりました。2016/04/13
記憶喪失した男
9
下巻は、未開の惑星の反乱に大部分が占められており、文章は幻想的で素晴らしい。2016/10/17
札幌近現代史研究所(者。自称)
1
余りに(数自体極小だが彼らの言説しかネットに載ってないため)信者の嘘(光速突破などがない「ハードSF」)が酷いので転載。明確に「航空宇宙軍史」に含まれる本作は結末が具体的に思い出せない出来の悪さ。ついには光速も突破し東洋的宗教じみた展開もあり、呆れるのは原始生物から知的生命体への進化が転生の繰り返しで延々と描かれこれまで一応宇宙空間での地味な戦いをギリギリエンタメとしてやってきたシリーズの結末としてはあまり悪い意味で形而上学的。人間の情感に激しく又は重厚に響きわたるような結末とはいえないため低評価とする2010/07/07
びぎR
1
http://blogs.yahoo.co.jp/biginnerreader/47314851.html2014/01/06
赤速
1
人類が宇宙に進出し、その生活圏を拡大していく過程がリアルに描かれる航空宇宙軍史。隣の惑星に行くにも公転周期から経済軌道が計算され、宇宙船は加速減速にきしみをあげ、燃料の一滴、酸素の一呼吸までも見えてくるようなシビアな描写。アニメのような気楽な宇宙生活などあり得ない。現実の宇宙は人間の挑戦など歯牙にもかけない絶対の無常である。何故そんな苦労をしてまで宇宙を目指さねばならないのか、その探索の果てになにがあるのか、SF永遠のテーマへのひとつの回答を鮮やかに壮大に絶望的に示した傑作。2011/07/02