内容説明
わが国の弥生人(倭人)は稲作を伴って長江下流域から渡来したといわれている。この地からは多くの民族が各地へ移住し、稲作と高床式住居を生活の基盤とする独自の文化を継承してきた。著者は彼らを「倭族」という新しい概念で捉え、黄河中流域の文化を偏重する従来の中国古代史では無視されてきた各地の古代王国の存在を実証。「倭族」発祥の地である長江流域を中心に、他に例をみない民族的特徴を持つその文化と習俗を論考する。
目次
1章 黄河文明の検証(謎の旧石器時代;仰韶文化の問題点;西域文化の流入;黄河下流域の文化)
2章 長江文明の検証(稲作の起源地を求めて;長江下・中流域の王国;長江上流域の王国)
3章 倭族の習俗(村落形態と住居形式;倭族の服飾)