海馬（トド）

表題作のトド撃ちのほか、天然鰻漁、闘牛、蛍の人工孵化、鴨猟、羆撃ちなどに打ちこむ男たちと、寄りそうように生きる女たち―。生き物を仲立ちに自然とともに生きる人びとを、動物の生態や習性の綿密な取材に基づいて、生き生きと、しかも愛情をこめて描きだす動物小説集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みやぎ

動物を題材にした短編集。全体的に淡々としているけれど『凍った眼』以外はこれから登場人物達が幸せに生きていくんだろうなと思わせる終わり方なのが良い。特に唯一フィクションではないと書かれている『銃を置く』が好き。2019/11/28

人県玉埼

昭和の時代を色濃く残した情緒深い小説。7つの動物が出てるくるが、どれも40ページ程度の短編ながら読み応えがある。鰻漁、闘牛、トド撃ちなど今はもうほとんどみられないし、そもそも知らないが、何か古き良き時代を彷彿とさせる。2020/12/25

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