新潮文庫
クラッシュ―風景が倒れる、人が砕ける

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  • サイズ 文庫判/ページ数 429p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101316390
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

不意の惨事に襲われ絶望に暮れる人々を尻目に、責任回避に走る加害者たち。阪神淡路大震災からJR西日本福知山線の脱線まで、世紀末を跨ぐ十年間に起きた六つの事件事故現場を丹念に歩き、踏み躙られた命の悲劇と、巨大組織の機能不全を告発する圧巻のノンフィクション。復興した神戸から改めて大震災の意味を問う書下ろし原稿を追加。

目次

暴走―JR西日本脱線転覆事故
噴出―十七歳連鎖殺人事件
欺瞞―雪印乳業食中毒事件
閃光―東海村JCO臨界事故
瓦礫―阪神淡路大震災
残響―ニューヨーク同時多発テロ
余震―被災から十三年後の神戸を歩く

著者等紹介

佐野眞一[サノシンイチ]
1947(昭和22)年東京生れ。出版社勤務を経てノンフィクション作家に。主著に、民俗学者・宮本常一と渋沢敬三の交流を描いた『旅する巨人』(大宅賞)、エリートOLの夜の顔と外国人労働者の生活、裁判制度を追究した『東電OL殺人事件』、大杉栄虐殺の真相に迫り、その通説を大きく覆した『甘粕正彦 乱心の曠野』『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ichiro-k

9
もちろん犠牲者は気の毒だったし、未曾有の事故の光景は筆舌に尽くし難いことには違いない。しかし、「思い入れ表現」が目立ち、今のジャーナリズムにありがちな「後出しジャンケン的勧善懲悪主義倫理観」を嗅ぎ取り、興味を殺がれつつ読了。2010/11/24

らぴ

8
JR西日本福知山線脱線事故の軽傷者の証言が生々しくて恐ろしい。JR西日本に対しての著者の思いは理解できるが、あまりにもバイアスのかかった表現は少し食傷気味。JOC臨界事故に関しては『朽ちていった命』というNHKドキュメンタリーの本が詳しい。阪神淡路大震災の章は当日の様子が非常によくわかり、興味深かった。2010/11/22

さとっぺ

2
福島原発事故の前後で、東海村JCO臨界事故の章への印象は大きく異なるだろう。震災前の本だからこそ、思いを強くする。原子力ムラの論理、安全性軽視はなぜ変わらなかったのか。そして、これからも変わらないのか...2014/04/13

ぐるぐるめぐる

2
福知山線脱線事故の詳細が知りたくて読んだのだが、思いの外短くて浅いような。信楽高原鉄道事故のことは全然知らなかった。十七歳連鎖殺人も、神戸連続児童殺傷事件の十四歳も、秋葉原の無差別殺傷事件も、私も、同年代なのがなんとも…。雪印とかJOC臨界とか詳細は知らなかったので、興味深く読めたし、阪神淡路については、長く深く書かれているが、とりあえず私はこの筆者とは相性が悪いようだ。妙な関連付け、特定の人、企業に対する上げ、下げ、たまにでてくる「誰うま」な表現等々、なんだか肌にあわなかった。2012/11/27

K.iz

2
1990年~2000年代を象徴する事件のルポ。徹底追求を持ち味とする著者の作品としては、短編は短くて物足りないところがあるが、事件の選定はさすが。JOCの章を読んで、阪神大震災の章の途中でずっと放り出したままだったが東日本の地震後、最近手にとって残りを読了。感想として、過去と最近の事象は質的に違うので比較できないと思う。ただ何か今までも同じようなことをやってきて、これからもやっていくんじゃないかという気はする。2011/04/05

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