内容説明
外国製品に蹂躪されている昭和初年の日本に電気化学工業を興すことで「国の柱」になろうと邁進する牧。しかし、苦心惨憺して開発した硫安やアルミ製造技術は、統制経済をとりはじめた国家によって公開を迫られ、牧は国策会社の社長に祭りあげられてしまう。国家を幸せにすることはあっても、国家によって幸せにされることのなかった男の生涯を通し、「男の好日」とは何かを問う長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochanosuke
16
重たかったなあ…いま読むには。男の生き方を問うてくる小説。『男たちの好日』のタイトルがいい。星新一の『人民は弱し 官吏は強し』を読み返したくなった。昭和の戦前の産業界については、とても勉強になった。2013/06/02
isagawa
5
いかにも城山三郎!! 浜辺のかじめ焼き屋の息子だった主人公・牧。「男は走り出したら振り向くな!振り返るな!」という父の言葉を貫き通し、ひたすら前向きに「日本の柱」たろうとする男の熱い生き様。。。 その生涯を通しての親友・花野木は、まったく浮き世離れした詩人、人生は楽しむためだけ。もう一人の親友となるよきライバル・玉岡は、ひたすらゼネもうけに生涯を懸ける男。 社長になっても変わらずひたむきに邁進する牧… その一生の先に何があるのか!? 国家はどう応えるのか!? 熱い時代の熱い男の物語!2015/07/24
球
2
漫画版で知り、文庫の購入から約十年を経てようやく読了。城山三郎のいわゆる経済小説を読むのは初めてながら、日本の柱という目標へと挫折と成功を繰り返しながらひた進む牧玲睦の生き様を平易な文章であっさりと描いてゆくおかげで労せず読み進めることができた。要所要所で現れ無心や助言をするダメ詩人の花野木がいい味。2011/06/19
半べえ (やればできる子)
1
★★★★ 旧単行本で読む 1983.08.25
紫の煙
1
昭和電工創業者である、森矗昶を題材にしている。主人公だけでなく、杉井、玉岡、花野木にとっての好日を対比させ、男の人生を問うている。昔の経営者には、日本のためにという心意気が確かにあったのだと思う。2012/11/03
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