内容説明
晩年、艶やかな作品を残した父は人間国宝の陶芸家。「青鞜」に属し、平塚らいてうの恋人と呼ばれた母は婦人解放運動家。強烈な個性と個性の、出会いと結婚。二人の愛は激しく、だから憎しみは深く。父母の愛憎のはざまに生を享けた宿命に、生涯苦悩し続ける息子…。大正から昭和、さらに戦後へと揺れ動く文化情況の、あたかも映し絵のような「業」を生き「業」に死んだ、その家族の肖像。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoriction
18
「愛するってことと憎むことが同義語になってしまうんじゃないかな」。父は人間国宝の陶芸家、母は「青鞜」にて平塚らいてうの恋人と呼ばれた婦人解放運動家。二人の出会いと結婚。激しく狂おしい愛。修復不可能な亀裂。父母の愛憎の元に生まれ苦悩し続ける息子。大正、昭和、戦後の世。「業」を生き「業」に死んだ家族。男と女の生き方、生きざまというのか…これは恋愛、ではなく、「愛」の話だ。あまりにも濃い内容で感想がここには収まり切らない。ただ、善吉も文も最期までお互いを愛していたことは確かだと思う。愛ゆえの、その人生。はぁ。2017/08/30
ひばり
0
倉橋健一の文学教室(コメント欄にURL)に触発されて手に取った。平塚らいてうと同性愛というのと、物語の構造(解説の四方田さんの指摘で腹落ち納得)、更に人間国宝となった陶芸家というキーワードに惹かれて。思いがけず日本文学(特に白樺派周辺)や日本美術の初期、文学サロンなど当時の先駆者たちに触れられて至福だった。内容は正に男と女の関係の不可解さへの追求。でも、だからこそ!と思わずにはいられないし、もっと人間心理の不可解さを知りたいと思わせてくれた。不条理というより、人間そのものを直視させられる作品。2011/12/13
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