出版社内容情報
無類の博識僧無住が編集した、軽妙な語り口による中世仏教説話集。
『沙石集』は中世を代表する仏教説話集です。編者の僧無住は、東国の出身で、関東各地で仏教修行のあと、奈良・京都周辺の諸寺で修学を重ね、真言宗、律宗、禅宗、浄土宗など各宗派の教義の真髄を学びました。また、伊勢神宮へも数年間参宮し、後半生は尾張の長母寺に住して、この地で『沙石集』ほか数編を著し、八十七歳で没しています。その経歴が示しているように、無住は仏教の一宗に偏することなく、神道や陰陽道さえ取り入れて、信心の重要性をやさしく説いています。その無類の博識と多方面に及ぶ好奇心によって集められた説話は、中世の庶民生活、修行僧の実態、地方の珍しい話など多彩で、巧みで軽妙な語り口で描かれています。後世、『徒然草』、連歌、狂言、落語などに影響が見られます。
小島 孝之[コジマ タカユキ]
著・文・その他/翻訳
内容説明
無類の博識僧、無住が集めた、中世の庶民生活、修行僧の実態、地方の伝承説話など。人々の生き様が巧みな語り口によって描かれる。『徒然草』や、連歌、狂言、落語などに多くの題材を提供した。
目次
太神宮の御事
解脱房の上人の参宮の事
出離を神明に祈りたる事
神明は慈悲を貴び給ひて物を忌み給はぬ事
慈悲と智とある人を神明も貴び給ふ事
和光の利益の事
神明は道心を貴び給ふ事
生類を神に供ずる不審の事
和光の方便にて妄念を止めたる事
浄土宗の人、神明を軽しむべからざる事〔ほか〕
著者等紹介
小島孝之[コジマタカユキ]
1943年、東京都生れ。東京大学大学院修了・博士(文学)。中世文学専攻。東京大学教授
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感想・レビュー
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