出版社内容情報
お前の家は、人殺しだ。
真実を知っても、人は忘れていく。
25年前の夏、この町には炎が降り注いだ。百貨店受付嬢誘拐殺人事件という、身近で突然起こった全国レベルのニュースを、誰もがいつまでも終わらせたくなかった。傷ついた人をさらに傷つけてしまった土地に、事件の火の粉は、まだ残っている。夏の日、写生遠足の帰りに姿を消した少年は無事に帰ってくるのか? 25年前の事件には、「まだ明かされていない」事実が本当にあるのか?
「病気なんかで、死ねると思うな」――本文より
【編集担当からのおすすめ情報】
「私にとって、一生に一度書けるかどうかの特別な小説です」
――辻村深月
デビュー22周年記念刊行作品
渾身の本格的現代長編ミステリー!
どのようにしても読むことをやめられない、圧巻の1500枚!
【目次】
内容説明
誰もがいつまでも終わらせたくなかった。25年前、身近で突然起きた百貨店受付嬢誘拐殺人事件という全国レベルのニュースを。そして火の粉はいまふたたびこの町にふりかかる。写生遠足の後、姿を消した少年は無事に帰ってくるのか?25年前の事件には「まだ明かされていない」事実が本当にあるのか?今年も夏がやってくる。3年ぶりの長編にして、新たなる代表作!
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
350
上・下巻、900頁、完読しました。本書は、人の不幸は蜜の味噂炎上誹謗中傷厭ミス大河小説でした。最期は著者らしく大団円だったので、もう一捻り欲しかった気もしますが、今年のBEST20候補作となりました。昔も今も人の心の中には変わらず邪悪な物が蠢いているのかも知れません。 https://www.shogakukan.co.jp/pr/fire_dome/2026/06/22
パトラッシュ
331
(承前)強烈な引きからの続きは息もつかせぬ展開で、失踪少年発見から犯人逮捕、25年前の事件から引きずる驚くべき真相まで疾走していく。そこにあるのは噂と思い込みと悪意の火の粉が降り注ぐファイア・ドームと化したネット社会で、被害者と加害者の家族や周辺関係者が傷つけられ暴走する姿だった。しかし彼らはいつまでも翻弄されるばかりですまさず、事実を明らかにすべく力を合わせて無責任な噂に反撃する。すべてのエピソードが結びつき鮮烈なカタルシスをもたらすラストは、まさに構成力の達人辻村さんの力量の頂点を示す見事さといえる。2026/06/22
tamami
267
上巻読了間近に下巻も購入。こちらの方もほぼ一気読み。小説を読む楽しさ、面白さを心から味わわせてもらった。単なるミステリー小説の範疇に入らない、AI、SNS全盛の現代における社会派小説としても特筆される作品ではないだろうか。四半世紀の時間を隔てる中で、多くの登場人物の言動に全く破綻がみられず、作者の力量に改めて敬服させられる。人々の間での会話や世間の噂、新聞記事、また記憶の中に留められた叫び声等、「言葉」が本作の中では重要な位置を占めている。人々の悲しみの源にも、喜びの種にもさせる言葉について思いを巡らす。2026/06/08
hiace9000
235
上巻終末で頂点に達した緊張感からの一気呵成のジェットコースター展開に、下巻読む手止まず。それは展開・構成の妙巧のみで成し得る技ではない。書き手の「これを書かずにおくものか!」の気迫に、読み手が完全に呑み込まれてしまうがゆえ。ここまで多面的視点から事件・事象を掘り下げ、登場人物に肉薄し描いたミステリー群像劇に、もはや感動!過去~現在の事件の被害者、加害者双方の家族が被った悲嘆と絶望、噂に雲合霧集する人の業を、少年らの伸びやかに煌く逞しさと共に描く、『この夏の…』に並ぶ新たな傑作・辻村「ひと夏」小説、爆誕!2026/06/22
FUKUSUKE
217
【サイン本】上巻を最後まで読み終えたら、たとえ深夜であっても下巻に手を出してしまい、続けて更に読みふけってしまう。そんな構成に内心では「やられた」と思うけど楽しい。作品としては人物描写、心情描写に富んだ群像劇。その芯にミステリーがある。とはいえ、多くの読者は晋也君の真犯人は事前に見当がついてしまうだろう。当事者からすると真相を明かすのは心情的に難しいが、真相を明かさねば噂はいつまでもどこかに残り続ける。機が熟す時期が必要なのだ。最後は未来を照らす光がキラキラと舞い降りるドームのような情景描写が素敵でした。2026/06/20




