集英社文庫<br> 生きぬくことは冒険だよ

集英社文庫
生きぬくことは冒険だよ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087487596
  • NDC分類 786.1
  • Cコード C0195

内容説明

マッターホルン、アイガー、グランドジョラスの三大北壁冬季単独登攀をなし遂げた男長谷恒男。寒さ、恐怖、そして孤独を乗り越えた時、彼は生の、より深い、より輝いた世界を見いだしたのだった。“挑戦”の登山家が「思考を越えた意識」によって山に誘われ、自然と一体化した無我の登山に至る心の軌跡を綴る。1991年10月、ウルタルII峰で雪崩に逝ったアルピニストの熱きラスト・メッセージ。

目次

三大北壁への道(なぜ、山に登るのか;マッターホルンへの道;マッターホルンからアイガーへ;グランドジョラス)
交信記録 ナンガパルバット単独登攀
講演録 自然と人と―私の山登り
インタビュー(抄)
クライマーは神になった
「カミサン、行ってくるね」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マリリン

29
約2週間後に日本山岳耐久レース(ハセツネ)が開催される。ハセツネとは登山家長谷川恒男の事だが、この本が偶然目についたのも何かの縁か。 生と死を手間なく繰り返す中で、自然という生命は限りなく持続する。長谷川氏が遺した言葉が印象的だ。「人生って学校の勉強ができるかできないかでなくて、何を勉強するかだよね」...本書を読み、破天荒な生き方をした長谷川氏を知ったが、感銘を受けた。命を落とす可能性があっても、そこに山があるから登る。山でなくても目標があれば目指す。時には留まり後退しても、行動の時を直感できる感性→2019/09/30

ヤマセミ

4
なんと豊かで確かな言葉を持った人なのかと思う。哲学というのとも違う、やはり解説者の夢枕獏さんが言うように、岸壁の表現者というのがふさわしいのだろう。何度も読み返して反芻したい言葉がたくさんあった。どのようにして心と体を調整し、厳しい単独登山にふさわしいように自分を追い込んでいくのかという過程も書かれていて、興味深かった。2015/10/17

ressenti-man

4
死後発見されたらしい草稿からなる「三大北壁への道」が中心だが、ナンガパルバット単独登攀の更新記録とかも面白い。小田豊二という人が記す長谷川のエピソードとか、青い自負心に満ちている感じで、これで実力が伴わなければ栗城と一緒だな、とか。なお読んだのはこの文庫でなく、単行本版を図書館で借りて。2011/12/04

頭痛い子

3
絶版になってしまい古本価格が高騰甚だしいが名書だった。ロッククライミングする人、ハイキングする人、山屋、とくにハセツネCUP出てる人には読んで欲しい。山を登るとき、それが岩だろうが槍ヶ岳だろうが未踏峰だろうが、誰の心にも葛藤や、下界では決して得られない充足感を誰しもが感じている。それがなんなのか。長谷川は自身の手でそれを冬季三大北壁初登攀を通じて書き残しているが、それらは決して特別なことや尊大なことは一つもあらず、私たちが感じている煩悩と変わらない。やっていることは史上初だったとしても。2024/02/20

すしな

3
039-19.神々の山嶺の長谷のモデルということで読んでみたのですが、いい意味で期待を裏切られました。長谷よりも不器用だし、どちらかというと羽生じゃないか?と思うところもありましたが、やっぱり実在の人物という迫力はあったなぁと。今年読んだ中でもなかなかオススメの本です。2019/03/19

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