「夫婦」不在社会

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  • サイズ B40判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065431740
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

忙しい現代、「仕事」と「家庭」を両立するにはどうすればいい?

昭和から令和にかけてヒットした小説、ドラマ、映画を分析して見えてきたのは、ディスコミュニケーションにあえぐ「夫婦」の姿だった――。


『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『「好き」を言語化する技術』『考察する若者たち』
今最も注目の文芸評論家が「物語」を通して警鐘を鳴らす!
「働き方改革」に次ぐ、これからのパートナーシップのあり方を見直すための夫婦論。



・【推しの子】、『THE FIRST SLAM DUNK』『汝、星のごとく』の共通点とは?
・月9ドラマ『海のはじまり』が描こうとしたものとは?
・なぜ村上春樹が描く「夫」は沈黙するのか?
・坂元裕二が『ファーストキス』でたどり着いた「夫婦」の形とは?
……etc.

日本を席巻した物語が浮き彫りにする問題ーー「夫婦」の不在。
どうすればパートナーシップのディスコミュニケーションは解消されるのか?



それでもやはり思うのだ。「日本の物語に、もっと、夫婦がいてほしい」と。
なぜなら文芸は現実の欲望をうつすものだが、同時に、文芸は現実の欲望に影響を与えるものだから。
ーー三宅香帆


【目次】

内容説明

忙しい現代、「仕事」と「家庭」を両立するにはどうすればいい?昭和から令和にかけてヒットした小説、ドラマ、映画を分析して見えてきたのは、ディスコミュニケーションにあえぐ「夫婦」の姿だった―。今最も注目の三宅香帆が「物語」を通して「家族の形」に切り込む!これからのパートナーシップのあり方を見直すための夫婦論。

目次

第1章 「夫婦」と親子(夫婦の不在 『君たちはどう生きるか』『街とその不確かな壁』そして『【推しの子】』;親ガチャと妊娠小説 『風の歌を聴け』)
第2章 「夫婦」と沈黙(成熟と夫婦 『羊をめぐる冒険』;個人主義と共同体主義 「ねじまき鳥と火曜日の女たち」;沈黙と夫 『ねじまき鳥クロニクル』)
第3章 「夫婦」と労働(コミットメントとポストフォーディズム 『海辺のカフカ』;妻と娘 「眠り」;夫婦とミソジニー 「ドライブ・マイ・カー」;生活と夫婦 「ファーストキス 1ST KISS」)
第4章 「夫婦」と時間(親密性と共同性 『なぎさ』;傷と時間 再び『ねじまき鳥クロニクル』;親密な時間の再発見)

著者等紹介

三宅香帆[ミヤケカホ]
文芸評論家。1994年高知県生まれ。京都市立芸術大学非常勤講師。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)。2017年、大学院時代に『人生を狂わす名著50』を刊行しデビュー。2024年、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で「書店員が選ぶノンフィクション大賞2024」大賞を、翌年には「新書大賞2025」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ

155
普段の会話では避けてしまう本当に話したいことは、本で語ろう。夫婦より親子の絆の方が強い。この事実は認めづらいけど、否定できないのかもしれない。文芸評論家の三宅香帆さんは多くの本を読むなかで、社会の大きなうねりと村上作品などの移り変わりを溶け合わせて、今を分析している。夫婦のかたち、親子のかたち、各々のパズルは一つとして同じものはなく、合うときもあれば結局は合わずじまいのときもある。社会の求めに追われてしまい、安らぎを忘れてしまうことも原因か。生き方を制限されない時代だからこそ、戸惑いが生まれることもある。2026/07/15

もちこ

37
「夫婦間のコミュニケーション不足」というテーマの本かと思いきや、「村上春樹作品で描かれる夫婦から読み解く夫婦論」がメインの印象。 村上春樹作品を読んでいたら、もっと分かりやすかったのかな。 第4章では、村上春樹から少し離れて、現代における労働と私生活との時間のバランスについて書かれていて、共働き夫婦である自分たちには耳の痛い話だったけど、勇気づけられた。 いったん仕事から離れて、夫婦や自分と向き合う時間を、臆せずどんどん奪還していこうと思った。2026/08/21

kei302

36
少し読んだだけで気づいたのだが、この新書は「夫婦」ついて考察した新書ではない。あとがきで著者の三宅さんは白状している。「夫婦というテーマで読む村上春樹作品が裏コンセプト」、いやいや、そうではないでしょ、メインテーマです、完全に。山本文緒さんの『なぎさ』を読みたくなる村上作品ファン急増間違いなしです。NetGalleyJP2026/07/14

とも

27
​なぜ日本の物語には「夫婦」が描かれないのか。現代を描く作家として村上春樹の小説を題材に、その謎を探る一冊。あとがきにある通り、実質「夫婦というテーマで読む村上春樹作品」という内容。できればサブタイトルにでも入れておいて欲しかったところ。 村上作品の高度な比喩はなかなか難解。解読・解説されるとそうかもと思うが、こじつけのようにも思える。 奇しくも結論が前著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の「半身の働き方」とオーバーラップする。図らずも、前著をより深く理解するための補完的な読書となった。2026/07/20

ぶっくたると

19
★★★★☆ 父不在で母親が子供に愛情を注ぐ物語が多くなっている中、村上春樹の作品を中心に、夫婦というテーマで読み解いている。 父親(または夫)は外で働いて、育児や家庭に関わらないことに道徳的責任を問われることがなかった時代が長くあったし、名残りも残っている。父親(夫)は仕事以外の世界でディスコミュニケーションを生んでいる。 「仕事」時間に奪われた「私(家庭/夫婦)」時間を取り戻すには、まずはこの本を読んで現状認識するのがいいと思った。2026/07/24

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