内容説明
カツレツ、牛鍋、ヒラメのグリル、鶉のローストに氷菓子―。洋行帰りのグルメ作家・村井玄斎の赴くところに事件あり。文明開化の花咲く明治三十年代の湘南を舞台に、死者の復活、衆人環視の殺人、人間消失など五つの謎が。同時代の名探偵シャーロック・ホームズの向こうを張って、玄斎探偵の推理が冴える。
著者等紹介
火坂雅志[ヒサカマサシ]
1956年新潟県生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経て、’88年『花月秘拳行』でデビュー。多彩な作風と卓越したストーリーテリングで知られ、時代・歴史小説の旗手として活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoriction@本読み&感想 復活の途上
16
明治のベストセラー美食小説『食道楽』の作者・村井弦斎を探偵役にしたミステリ連作短編集。美食という美食は出て来ないしミステリ要素も薄いが、牛鍋屋やメトロポール・ホテル、「炒めた豚肉に水と酒を加えて二時間ほど煮込み」「牛蒡と糸蒟蒻、厨房にあった木くらげとニンジンも細切りにして加え、砂糖と醤油で味付けをして料理を完成させた」など、当時の食文化や食の背景はよく伺えて楽しい。実在の歴史上のあんな人やこんな人も登場し、いつもお腹を空かせた弦斎さんの謎解きはいかに!作中で弦斎が執筆中の『食道楽』を読んでみたい。2013/10/06
ろここ
15
天地人の火坂先生、こんなミステリめいたものも書かれていらっしゃったのですね。 明治時代に実在したグルメ作家 村井弦斎が探偵として活躍。幽霊騒ぎや失踪事件を鮮やかに解決する傍ら、美食に舌鼓。 明治後期の洋食文化がどんどん花開いていく雰囲気が好きで、こういう本をもっと読みたいなぁと思った。大隈重信や伊藤博文、サムエル・コッキングなど登場して歴史の勉強にもなった。2021/05/27
貴夜
5
実在の小説家、玄斎を探偵役に様々な事件を解決していく。それにしても明治がこれほど西洋化されていた時代だったとは。2016/05/01
春木
2
美食家な探偵、村井弦斎の物語。小ぶりながらなかなか面白いので、続編とかでないかな。食べ物は美味しそうでした。『食道楽』自体も気になります。2013/04/22
こけし
2
歴史小説でありミステリーでありグルメ小説であり、盛りだくさんで面白かった!村井弦斎さん気になる…!2011/10/26
-
- 電子書籍
- エリアの騎士(新装版) 22
-
- 電子書籍
- 内田百間随筆集 平凡社ライブラリー09…