Mephisto club
麦の海に沈む果実

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  • サイズ B6判/ページ数 416p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062101691
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「ここに三月以外に入ってくる者があれば、そいつがこの学校を破滅に導くだろう」―湿原の真中に建つ全寮制の学園に、二月の終わりの日に転入してきた水野理瀬。彼女を迎えたのは、様々なしきたりや、奇妙な風習が存在する不思議な学校だった。彼女と学校生活を共にする仲間、「ファミリー」もそれぞれに謎を抱えていた。功は、閉ざされたコンサート会場の中から失踪し、麗子は、湿原に囲まれて外に逃げ出せないはずの学園から消えうせていた。残りのメンバーは、麗子はすでに死んでいるのではないか、と校長につめよる。それに対し、校長が提案したのは、麗子の霊を呼び出す交霊会の実施だった。その場で理瀬に奇怪な現象が襲う。「三月の学園」での奇妙な学園生活を送る理瀬の隠された秘密とは。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mint☆

117
3月始まりの全寮制の学園に、2月の最後の日に編入してきた理瀬。湿原に囲まれた青い丘の要塞のような建物。そんな閉鎖的な中で起こるいくつもの事件。不思議な魅力を持つ校長に誰もが訳ありな生徒たち。終始仄暗く不穏な空気が漂う物語。3月以外の転入生は破滅を呼ぶと言われているが事件は理瀬のせいなのか?周りの全て怪しく思えてページを繰る手が止まらない。全ての謎が解けたわけではないけれどとても良かった。関連本があと3冊あるようなので読んでみたい。2020/04/12

さつき

81
最新刊に備えての再読。久しぶりに読んだので忘れていることが多く新鮮に楽しみました。全寮制の学校という閉鎖的な空間で囁かれる噂。あからさまな悪意。理瀬が自分の立ち位置が掴めずに不安を募らせる様子は可哀想だけど、煌びやかな学園の描写にはうっとりしてしまう。ラスト近くのハロウィンは何度読んでも圧巻。幻想と思念が入り混じってくらくらします。次は『黄昏の百合の骨』を読みます。楽しみです。2021/05/02

ゆき

44
読友さんにオススメしてもらいました。『夜のピクニック』に続いて恩田作品2作目でしたが、雰囲気が違ってこれも面白かったです。後半に進むにつれどんどんページが進みました。三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬。そんな彼女の周りで不可解な事件が次々と起こる。隔離されている学園で過ごす訳ありの生徒達。偽りや嫉妬、様々な感情が渦巻く世界観に引き込まれました。記憶が戻りすべてを取り戻した彼女がこれからどうなるのか気になります。2016/05/05

はな

32
陸の孤島にある全寮制の学園。そこは三月の王国。"三月以外にやってくる転入生は、学園に災いを導く"と囁かれる中、二月最後の日に転入した理瀬。お金持ちだったり訳アリの美少女美少年、ジェンダーレスな校長と彼が開くお茶会、赤い表紙の本、舞台、ワルツ、突如学園を去る生徒達、殺人事件……まるで海外のような、閉鎖された空間で常に仄暗い世界観にどっぷり浸り一気読み。理瀬をはじめ誰もが裏表がありそうで、それでいてとても魅力的だった。透明で灰色。驚きとともに現実にぐいっと引き戻されたのに、まだ夢の中にいるようなラストが好き。2019/02/18

31
とても面白くて一気読みでした。寄宿舎の不穏な空気に囚われました。登場人物たちがそれぞれ魅力的で美しく、不安定でした。真相が明らかになった、たたみかけるラストに驚きました。それまでの世界が反転した感じでした。2016/02/20

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