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内容説明
他国者は容易に近づけない、密国阿波に潜入した幕府隠密・甲賀の宗家、世阿弥が消息を絶って10年。家名の断絶を目前にして、悲嘆にくれる娘のお千絵を見かねて、二人の男が阿波渡海をはかった。だが夜魔昼魔、お十夜孫兵衛、見返りお綱が二人の邪魔に入る。講談社創業80周年記念出版。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
55
講談調が独特ですが、あっという間に惹き込まれました。女掏摸のお綱が掏った紙入れの中にあった一通の手紙が事件の発端で、そこから江戸の人間臭い世界が繰り広げられていきます。十年前に消息を絶った甲賀隠密・世阿弥を探すために阿波に潜り込んだ法月弦之丞と唐草銀五郎。2人に邪魔が入ったばかりか、銀五郎は殺され、弦之丞は江戸に戻り、相思相愛のお千絵と再会したりとなかなか波乱のある展開でした。助かったと思えばまた窮地と目が離せません。人と刃の目見える様子がまるで絵巻物のようでした。偶然が重なっているような気もしますが。2015/07/12
旗本多忙
18
現在BSドラマでやっている。小説は昭和初期の吉川伝奇物の傑作である。原作と若干前後あるものの非常に上手く作られている。 阿波の藩主蜂須賀重喜は幕府転覆を企む。 甲賀世阿弥が幕府の命を受け、阿波を探りに出て10年。行方不明となった世阿弥の生死は如何に。隠密法月弦之丞と目明かし万吉、女掏りのお綱らは、世阿弥の娘千絵を助けながら阿波を目指す。行く手を阻むは辻斬り浪人孫兵衛に阿波藩士一角。甲賀舎弟の旅川周馬。さて2巻へ続く。2018/05/24
はなん
17
図書館本)4月からBS時代劇になると知って手に取る。正直にいう。私はまったく修行が足りない。この文章を読み解くことが前面に出てしまい、本来の物語として楽しむことってことができなかった。映像で見てからの方がよかったかも?主人公の法月弦之丞の存在感があまりなくそこも一因。戸惑った。でも舞台設定や脇役(ってかこの巻ではほぼ主役級)のお綱や万吉は魅力的でそこで引っ張ってもらってラストまで読めた。この文庫版は三巻まであるんですが、さてどうしよう。まだまだお話は道半ばだが映像見てから再挑戦、か。2018/02/15
ひかつば@呑ん読会堪能中
7
大昔、田村正和のTVを見たときに読んだはずだがほとんど覚えていなかった。最初の数ページで こんなに読みにくかったっけ? と暫くほっておいたのだが、積読本が無くなったので読み始めると、時代物に出てくる数多くのパターンがこの作品に登場するので、やはり吉川作品の影響は凄いなぁと改めて実感した次第。だけど登場人物多すぎだよ(w) じっくり堪能しながら続きにとりかかろう。2013/10/08
都人
6
昭和の初めに書かれた本だから、100年くらいの歴史を持つ本だ。今は使われていない言葉も多く、巻末には注解として約40ほどの単語の意味が添えられている。また殆どの漢字にルビがふってあり読みやすい。一伍一什(いちぶしじゅう)、軽舸(はしけ)なんてルビ無しでは読めない。p210。 阿波を見ることなく一巻は終わる。2022/04/15
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