講談社文庫<br> 自動車絶望工場 - ある季節工の日記

講談社文庫
自動車絶望工場 - ある季節工の日記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 308p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061830967
  • NDC分類 916

出版社内容情報

【内容紹介】
働く喜びって、なんだろう。毎日、絶望的に続くベルトコンベア作業の苛酷さ。現代の矛盾の集中的表現としての自動車は、労働の無内容さと人間の解体を満載し、排気ガス、石油資源などの諸問題を前にして、いま大転換を迫られている。自ら季節工として働いた体験を、生きいきと再現した傑作ルポタージュ。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

CCC

14
質の高い体験ルポというだけでなく、ところどころで挟まれる核心をつく疑問、皮肉の鋭さに文学を感じたりもした。それくらい表現力のレベルが高い。プロレタリア文学としても読めるかもしれない。加工され、表にでる時には消えるような情報もある。ビジネス書の副読本にもなるはずだ。いろんな読み方ができる奥深い一冊だった。時代が古いのがすこし残念。現代だとどうなってるのだろう。気になる。2021/06/01

ひろ☆

14
1972年、トヨタの自動車工場での潜入ルポ。高度経済成長の時期、過酷な労働状況で、機械のように働かされた労働者。非正規労働者への扱いはまさに使い捨て。会社が変わるのを期待するか、自分で変化を求めるか。まぁ、どうしようもない時も多々あるが。。2014/01/15

ヨータン

11
本当に絶望したくなるような工場。牛や馬と同じ労働力としか見なされていない。70年代のトヨタの期間工ってこんなに劣悪な環境で働いていたんだ。でも今のアマゾン倉庫のバイトでもあまり変わらないのかな。ただ、当時は今と違って、期間工=出稼ぎ的な意味合いが強かったんですね。田舎から出てきて頑張って、体壊して。辛すぎます。 2020/08/27

活字の旅遊人

7
潜入とか、ありかよ!って、最初は反感。でも、こういう告発的なことも必要だね。今は、外国人?

511

6
「良いボルトねじというのは顔のないボルトねじだ(チャールズ・ブコウスキー)」 製造業はいつだって根本的には変わっていない。タクトタイムを決め、稼働率を上げて、品質を守り、誰がやっても同一なものを製造する。作業者には名前がない。製造物には色がない。人間は機械以上に機械であることを求められている。機械がすり減り、摩耗するようにそこで働く人々は魂を削り生きている。私は憎い。自動車会社を憎む。人々から尊厳を奪いながら一方で人々の生活を成り立たせているそんな会社と社会の仕組みに絶望する。2018/05/21

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