講談社学術文庫<br> 新約聖書 - 共同訳・全注

講談社学術文庫
新約聖書 - 共同訳・全注

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  • サイズ 文庫判/ページ数 885p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061583184
  • NDC分類 193.5

出版社内容情報

【内容紹介】
16世紀の宗教改革以来、カトリックとプロテスタントとに分裂していたキリスト教界は、現在、協調と一致の方向に向かっている。本書は、このような時代の流れの中で、両派が協力して翻訳した本邦初の『新約聖書』。両派で思い思いに使ってきた言葉を共通化し、内容に沿って小見出しをつけたほか、歴史的・宗教的事項に注を付してあるので、新約の世界とその時代がありありと甦ってくるこれからの時代の万人向け聖書の決定版である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

185
イエススが病人を治しイシャヤの預言が実現したとある。病人を治すことの尊さは判るが、預言はなぜ必要か。私は聖書の教え自体を預言のように思う。右の頬を殴る者に左の頬も向けろと。教えの実践は難しく、苦しまなければならないが、イエススの言葉は私たちがいつかそこに到達することを預言し想像させるのだ。宗教の根底には身を捨てる心があると思う。仏教にも捨身飼虎、即身仏などの例がある。預言としての教えは身を捨てられない人間を繋ぎとめているのではないか。それを似非宗教に利用されると危険だが、否定すればいいわけではないと思う。2024/04/01

夜間飛行

182
パウロス(パウロのこと)からローマの信徒へ宛てた手紙を。福音は神の救いの働き(神の義)を啓示するものであり、信仰を通して実現されるといっている。これは福音は静止しておらず、行為や生活に向かって進んでいくという方向性を示しているように思う。私は信者ではないが、せめて幼稚園で覚えた祈りの言葉を唱えよう。同性愛者・娼婦・徴税人など旧約聖書の律法を外れる者だけが罪人ではない、人はみな罪人だ、そしてどんな人でも神との正しい関係に立てば、神の恵みを受け、無条件で正しい者になれるのだ…この箇所のインパクトが大きかった。2024/04/03

夜間飛行

176
獄中のパウロスがフィリピの信徒に宛てた手紙。自らの監禁により兵士たちに福音が伝わることを喜んでいる。死に至るまで従順だったキリストの復活を信じる気持から、自分もそのようであろうとし、また信徒たちにも、《私がいっしょにいる時だけでなく、いない今はなおさら、従順で恐れおののきつつ、自分の救いに力を尽くしなさい》と告げている。一方、《あなたたちは私が戦うのを見てきたし、今もうわさで聞いていますが、その同じ戦いをしているのです》…とも。戦いと従順とは、矛盾しないでパウロスの心にあったのだろう。受け取り方が難しい。2024/04/05

夜間飛行

164
パウロスはガラティアの信徒への手紙で、割礼せねば救われぬとする誤った教えを厳しく戒めている。神の教会への迫害者だった自分が使徒の列に加わったのは、福音を伝え聞いたのではなくイエスス・キリストの啓示を受けて…つまり心の中で回心したのだと述べている。エルサレムで会ったイエススの弟子達は、入信したばかりのギリシア人に割礼を強制せず、異邦人(ユダヤ人でない人々)への伝道をパウロスに任せた。これら一つ一つの記事が何かを語りかけてくる。異邦人との交流を避けようとしたペトロスさえも非難するパウロス。何と心の自由な人か。2024/04/04

優希

67
新共同訳で慣れていたので、正直読みながら戸惑いました。まず名前が馴染んできたものとかけ離れていること、そして文体がイマイチ合わないことが原因だと思います。注釈があるとはいえ、若干わかりにくい感じでした。他の箇所からの引用や関わりがありそうなところを示していたり、聖書を旧約聖書のことと補足しているのは親切だと思います。それでも矢張り聖書を読むなら、馴染んでいる訳で読む方が理解できるように感じました。2016/07/13

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