巷説百物語

巷説百物語

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  • サイズ B6判/ページ数 511p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048731638
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

時は、江戸。巷の闇の色は濃い。その闇を縫うように、あやかしたちの姿がほのかに立ち上る。小豆洗い、白蔵主、舞首、芝右衛門狸、塩の長司、柳女、帷子辻…。それは、現か、幻か、それとも―と、その刻、小股潜りの又市の鈴が密やかに鳴り、山猫廻しのおぎん、考物の百介、事触れの治平の姿が現れる。「御行奉為―」いつの世も、不可解な事件は決して跡を絶つことがない―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

93
面白かったです。必殺仕事人を京極さんがアレンジしたと思わせるほど。世間の濃い闇の中で又市の鈴が鳴るとき、不可解な事件が綺麗に消えゆくような空気に包まれるのが心地よかったです。江戸時代ならではの景色に溶け込む妖たちの姿。それは人々の様々な想いの象徴であるというのが美しさと妖しさを醸し出しているようでした。勧善懲悪に絡む妖怪という取り合わせがツボです。2017/07/12

勇波

70
単行本にて再読です。何度でも楽しめるというか、何度読んでも各話の結末にいちいち驚く自分のアタマの悪さに感謝です。この分だと『続巷説…』も楽しめる事間違いない。。本作の又市一味の仕事はまだまだジャブ程度のもの。次作からの圧倒的な闇への対決は再読ながらワクワクします。又市曰く「生き残った者の心中にこそ…冥府はあるので御座居ます」との事。これつい先日『弔堂』の御主人も仰ってましたね。これこそ不変の理かもね★2017/01/04

たかゆき

24
再読。初期を改めて読むと後期の「最後まで死だけは避ける」という姿勢からだいぶ外れてる冷酷な印象。けっこうガチの小悪党だよね又市。『舞首』の黒達磨は人数合わせの為「物のついで」で殺られてるし、恐ろしいのは『芝衛門狸』で、「徳島藩主の依頼」「仕込みを合わせて半年の大仕事」「おぎんは人形師の留守中に女中に」諸々…ってことは、芝衛門の孫娘が殺されたのは不幸な事件じゃなく又一の仕掛けの一環(芝衛門に近づく口実)で実質又一が殺したようなもんじゃねーかと邪推できてまう。岡田将生、星野源、柄本明、蒼井優2016/12/12

二分五厘

21
「御行奉為(おんぎょうしたてまつる)─」御行の鈴がりんと鳴る時、禍々しき気配は消え去り、不可解な出来事は解き明かされる。一度読み始めて挫折。ドラマ版観たし(又市=渡部篤郎の)…と思いつつも再読。思ってたより真面目に仕事してる(笑)治平さんの扱いが全く違うし。江戸の暗闇に巣食う悪意という名の妖怪を退治していく又市一味。じわじわと真綿を絞るように追い詰めていく『小豆洗い』三竦みの状況を、まるでコントのように場面を切り替えながら、読者を迷路に誘い込む『舞首』最後の一言が痛切な『芝右衛門狸』が特に好きですね。2019/05/02

月夜乃 海花

19
やっぱり京極夏彦はすごい。妖怪をテーマにした話をよく思いつくなと思います。妖怪が業を起こしているのを人々が怯えて見ているのかと思いきや、裏では実はとある人達が妖怪の振りしてこうやって起こしていましたという表と裏が素敵でした。姑獲鳥の夏も然り、幻想的と見せかけて理論的な小説をこんなに天才的に書けるのは流石だなと思います。2017/12/18

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