内容説明
彼は、すべての記憶を喪くし、覚醒と混濁する意識の狭間にあった。彼―安西雄介は奇妙にして確固たる既視感を意識の底に抱きつつ、幾つもの次元を転移してゆく。「オレハダレダ」。太古の神州にスサの王という名の自我を見出す。悟入直前の悉多太子の血肉となる。悪魔と対峙するジーザス。時空連続体を彷徨しながら彼は今や、大いなる宇宙に紡がれた歴史の傍観者であり、自ら真理そのものでもあった。苦悩の叫びをあげ己れを問い、やがてこの世の開闢以来の宿敵・八岐を知り、未生と今生と来生、その自然律を悟る。現代の語部が、時空を超えた時間流を俯瞰して描く伝奇SF巨編。めくるめく感動をすべての読者へ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コロチャイ
7
禍津神の混迷の姿を表す内容。禍津神雄介の誕生は未だ成就せず。地球はまっているよ君の 成長を。2022/09/15
Tanaka9999
3
この巻って17巻の続きですよね。過去の出来事を再度体験させられている。だとするクトゥルーに拷問されている?のか。17巻の後はどうなったんだろう。 ところでクトゥルーが主張している「自分たちが先に地球にいてお前たち(先住者や人間)に追い出されたから自分たちに住む権利がある」というのはパレスチナ問題そのもの。さて、そこまで何か考えがあったのだろうか。2018/05/30
洪七公
2
読了1991/01/17
二分五厘
1
1990.10.5