感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
94
★★★☆☆ おそらく由利先生の初登場作品。 ただし由利先生の存在感はあまりない。 表題作は、ちょっとしたイタズラ心と犯人の狂気が交錯するなかなかの力作。 ミステリとしては平凡だが結構おもしろかった。 『首吊り船』は、怪奇色の強い作品だが、特に展開にひねりはなく、結末の悲しさだけが残った。 『幽霊騎手』は、唯一由利先生や三津木俊助が登場せず、ミステリとしては弱いが、冒険活劇物としてはそこそこで、主役の風間もなかなか良いキャラだった。2019/10/18
Yu。
25
突然奇怪な幻想に囚われ始めたヒロイン‥ だがそれをキッカケに彼女の身に起こる世にも異様な狂想曲にどっぷりと浸かるといい「憑かれた女」。怪奇な蓋を開けてみりゃ、濃密ミステリが拝めます「首吊り船」。眉目秀麗の人気俳優がにわか探偵となり二転三転する展開を掻い潜りながら見事な着地を決める様は上の二作にも勝るとも劣らない満足感を得られます。また本作ならではのもう一つの真相にニンマリ‥ よっ千両役者!「幽霊騎手」。といずれも二つの大きな要素が溶け合う事で生まれる複雑怪奇にして幻想的な音色が魅力の三篇の怪奇ミステリ。2017/01/06
泰月
7
神保町ブックフェアにて購入。金田一ものではありませんが、その中の一編である「幽霊騎手」は主人公他、登場人物のキャラ立ちも良く、ルブランのルパン的な活劇で面白く読めました。2018/10/29
ホームズ
7
サスペンスって感じで楽しめました(笑)『憑かれた女』はちょっと反則って気もしましたが(笑)『幽霊騎手』はどうしても「幽霊射手」って読んでしまった(笑)2009/01/08
**くま**
5
全3篇の短編集。表紙の女性が角川文庫の古い横溝シリーズにしては昭和な感じがしない、普通に現代的で驚いたのですが・・・なんと表題作の主人公は17歳のハーフ美少女。ああ、そういうことかと納得。しかしこの美少女がバー勤めで、というよりこの歳でバリバリ風俗嬢みたいな仕事をしてるのが・・・読んでて辛い。本人は平気なのかもしれないけど・・・。次の「首吊り船」と「幽霊騎手」は冒険と謎がたっぷりで面白い。「幽霊騎手」はルパン風紳士強盗の話で横溝作品ではちょっと珍しいかな。表題作と「首吊り船」は三津木俊助と由利先生が活躍。2014/06/25