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出版社内容情報
成長著しいIT企業「スピラリンクス」の最終選考。最終に残った六人が内定に相応しい者を議論する中、六通の封筒が発見される。そこには六人それぞれの「罪」が告発されていた。犯人は誰か、究極の心理戦スタート。
内容説明
「犯人」が死んだとき、すべての動機が明かされる。成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を開けると「○○は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは―。伏線の狙撃手・浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。
著者等紹介
浅倉秋成[アサクラアキナリ]
1989年生まれ。2012年に『ノワール・レヴナント』で第13回講談社BOX新人賞Powersを受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
824
王様のブランチで紹介されたので、読みました。浅倉 秋成、初読です。学生も企業も多かれ少なかれ盛っているので、こいうストーリーはあり得るかも知れません。人事担当者はマネをしないように(笑)それにしても昨今の就活は熾烈です。就活うつになるのも理解できます。 https://www.kadokawa.co.jp/topics/54992021/04/28
ろくせい@やまもとかねよし
764
就活ミステリー。とてもユニークな設定。大学卒業目前の新卒生のみを対象とする企業採用試験。就活生はこれまで経験してきた横並びで競い合う試験の印象をもちながら挑むが、志向が反対の横並びでの協調力を求められ混乱する。利己と利他で迷子ぎみの彼らが直面する事件とその真相に迫る。人事も含め「世界に絶対はない」の描写が心に残る。人間の能力は数字で測れることばかりではない。表し難い力にこそ、未知な可能性がある。しかし最後は「運」だと。そんな「大人」自身も知り得ない「正しさ」に向き合う若者たちの姿は微笑ましい以上に切ない。2022/02/13
R
600
ある就職面接で行われた、最終選抜グループディスカッションの話。その時に事件が起きたのだが、その真実を解き明かしていきつつ、誰が嘘つきだったか、どんな嘘だったかを暴いていく。読み終わって、なるほどなぁと感じて、解き明かされた真実については、驚きよりも、やはりなという感じになってしまうのは、そこまでの道程が丁寧で、かなり綿密に作り込まれていたからだろうと思う。ミステリとしては落ち着いた内容だけども、就活というイベントに対しての批判めいた内容には深く納得。世の中、そんなにしっかりしてないのだ。2021/07/06
まちゃ
573
就職活動をテーマにしたミステリ。二転三転する展開に読み応えがありました。面白かったです。前半「就職試験」の就活生たちの人間性をあぶり出す心理戦。後半「それから」の謎解き。人とは多面的なものであると訴えかけるものでした。企業の採用活動や就活への皮肉が印象的でした。正解がないことに向き合う試行錯誤の苦しみ。新興IT企業・ラピスリンクスの募集パンフの「【成長(Grow up)】を超え、新たな自分へと【超越(Transcend)】する」は、どこかで見たような気がする夢のフレーズですね。2021/05/29
うっちー
522
初めて出会ったミステリーでした2021/08/08