感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
111
しばらく読むのを中断していたのだが、相変わらず面白く読めた。というか読み出したらやめられなくなる面白さで、池波正太郎は偉大な物語作家だとつくづく思った。この巻では天下を統一した秀吉の威光に陰りが見えてくるところが印象的。正気の沙汰とは思えない朝鮮出兵に意欲を燃やす秀吉に、周りの武将たちは振り回される。それでも知恵を絞って生き残っていこうとする昌幸を中心とする真田一族が、頼もしい存在に見えた。最後のお江と甲賀忍びの息詰まる死闘は、頁を捲るのがもどかしいほどの面白さ。2016/01/17
雪風のねこ@(=´ω`=)
59
上に傅く者は悉く働き甲斐を求めるものである。角兵衛にしろ鈴木右近(小太郎)にしろ草の者にしろ。お江はどうなのであろうか?再び登場した父の敵(相貌からそう窺える)与助。やはり因縁吝かならぬといえる。名(短刀)より実(角)を取った幸村。そして、諫める者がいて心変わりした角。一方、諫める者がいなくなり心変わりした、秀吉。大きな対比といえる。僅かな平和の中、暗躍する草の者たち。関ヶ原に向けた前哨戦を思わせる。2015/12/30
ケイ
59
ここで読むと、北条氏とは壮絶な全面的な戦いにならず、睨み合いの末の勝ちに見える。以前に住んでいた隣りの小さな大阪狭山市。そこを北条氏は徳川時代におさめていた。城はなし。あそこに落ち着いたとはなんとも…。とはいえ、豊臣は滅んだのだから、残ったことをよしとするのか。圧倒的に存在感のあった兄よりも大阪城に暮らす幸村の存在感が増していてき、角兵衛も幸村に心酔していく。三成の男ぶりも良く描かれている。そして秀吉は乱心の気配を見せ始める。この巻最後は、真田の忍び対豊臣・徳川の忍び。お江はどうなるのか。2014/04/29
胡乱
7
日本史の授業の時に何故秀吉はやらなきゃいいのにこんなにも朝鮮出兵に拘ったのだろう…。と思っていましたが、信頼していた身内と大事な息子に次々に先立たれて心を病んでしまったであろうことと、今まで走り続けて来たために急には止まれない、というのでなるほど、と思いました。哀れな太閤殿下。白うさぎの小太郎、大きくなりましたね…けどまだまだ青いのかな。真田忍びvs山中忍びにはドキドキ。かっこいいなあ!!2011/08/20
タカシ
6
北条への小田原攻めと甲賀のやり取り。本作は真田というより甲賀が主役。最後お江がどうなるのか。次巻も期待。2016/04/30