出版社内容情報
私は、奥様じゃないの。透谷の妻でもない。ただのミナよ。夫は自裁、小さな娘を抱え、厳しい経済状況にめげず、向学心を持ち、英語の教師という天職を得るミナ。明治・大正・昭和を自由奔放に生き抜いた女性を描く長編小説。
【目次】
内容説明
”私は、奥様じゃないの。透谷の妻じゃない。ただのミナよ”夫は自裁し、小さな娘も残され、経済的にも楽ではなかった。それでも彼女は何かを諦めることなく、向学心を持ち、英語教師という天職を得て、明治・大正・昭和を生き抜いた―。北村透谷の妻・ミナの活発自在な半生を描く長篇小説。
著者等紹介
門井慶喜[カドイヨシノブ]
1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年に「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。18年に『銀河鉄道の父』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
179
門井 慶喜は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。北村透谷は、名前だけ既知でしたが、その妻・ミナを本書で初めて知りました。タイトルから夫を亡くした薄幸の妻の物語かと思いきや、全く異なる自由奔放な先進的な女性の半生記でした。北村 ミナは、大変魅力的、明治~大正にこうした女性が存在したにも関わらず、現在の日本のていたらくは、寂しい限りです。 https://publications.asahi.com/product/25849.html 2026/03/17
KEI
45
最近は遅読の私だか、本書は読み易く、ミナの半生を追いかけているとあっという間に読み終わってしまう。明治という時代にあって男尊女卑もなく、生き方を選べる事を許されるのは幸せな事だと思う。北村透谷の妻として生きたのはほんの短い期間であったが、その後20年に渡って、無意識下に透谷の自死に苦しめられてきた事を悟る黒坂とのエピソードは印象的だった。写真で見た印象より闊達で自分を生き抜いた人だった。読後感が良い作品だった。2026/04/06
セロリ
38
びっくりするほど読みやすい。サラサラと読めるし退屈しない。物語に引き込むというより、読者に分かりやすい言葉で語って聞かせる感じ。初読みだがこの作家さんの特徴なのか?さて、このストーリーは、明治維新の頃、大地主の娘として誕生したミナが、その時代には考えられない数々のことをやってのけるお話だ。明治前半の変わりゆくあの時代に、単身アメリカにわたり勉学で身を立てた女性がいるなんて想像してなかった。あの頃から今も、女性の立ち位置は、そんなに向上してないんじゃないかと思う。誰かの添え物じゃない人生、バンザイ🙌2026/05/27
どぶねずみ
24
理想に燃えながらも苦悩を抱えた透谷と、その傍らで静かに寄り添い続けたミナ。華やかな文学史の裏側にある、名もなき日常の重みが胸に迫った。夫の死後、ただ悲しみに沈むのではなく、自分の足で立とうとするミナの姿が印象的で、強さとは声高なものではなく、こうした静かな持続の中にあるのだと感じた。激しい時代の流れの中で、置き去りにされがちな「残された者」の視点に光を当てた物語で、読み終えたあとも余韻がじんわりと残る。2025/06/30
ミーコ
21
北村透谷と言う人を全く知りませんでした。25才の若さで自死してしまったとは。。その妻のミナの自伝の様なお話でした。男尊女卑が激しかったこの時代 このように自分を貫き通して生きた方だった。学ぶ事も教える事も好き。羨ましくもあります。強い女性でした。2026/04/16




