出版社内容情報
なぜ社会保障制度改革は失敗を繰り返してきたのか。「負担ばかりで見返りがない」という制度不信にどう応えることができるのか。私たちの生存と承認に深く関わるセーフティネットの在り方を多角的に検証し、そのあるべき原理を明快に論じる。ポピュリズムが席巻するなか、第一人者による地に足のついた骨太の政策論。
【目次】
はじめに
第1章 不信に揺れる社会保障と雇用
1 給与明細とポピュリズム
2 社会保障とセーフティネット
3 雇用のセーフティネット――日本のセーフティネット(1)
4 社会保険のセーフティネット――日本のセーフティネット(2)
5 生活保護というセーフティネット――日本のセーフティネット(3)
6 雇用、社会保険、生活保護の関係
7 同時多発的な不信
第2章 生存と承認のセーフティネット
1 終わりから始まったセーフティネット
2 セーフティネットの制度拡張――包摂の重視へ
3 セーフティネットの機能拡大――承認の保障へ
第3章 デジタル社会の亀裂と承認格差
1 格差と亀裂の新しいかたち
2 承認格差のなかの孤独の拡がり
3 ソーシャルメディアが拡げる不信
第4章 改革はなぜ成就しないか
1 社会保障改革の困難
2 雇用保障の転換
3 改革が成就しないのはなぜか
第5章 雇用のデジタル転換と社会保障改革
1 三位一体の社会保障改革
2 AI時代のエッセンシャルワーク
3 所得保障と給付付き税額控除
4 対人支援サービスと地域共生社会
まとめと展望
参考文献
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
16
日本の社会保障制度改革がなぜ失敗を繰り返してきたのかを検証し、根強い制度不信にどう応えるかを論じた1冊。日本のセーフティネットを「雇用」「社会保険」「生活保護」の三層で整理し、それぞれの機能不全と同時多発的に不信を招いている構造、デジタル社会が生む新しい亀裂や承認格差、改革が成就しない政治的・制度的要因を分析しながら提示される三位一体の改革や給付付き税額控除、地域共生社会など具体的な方向性は地に足が付いていて、財政論に偏りがちな社会保障議論の中で信頼される制度をどう再構築するかは確かに重要だと感じました。2026/08/26
西村章
0
示唆に富む指摘がたくさんあって勉強になったけれども、社会保険制度の負担逆進性を議論する前に、まずは保険者間格差の解消を図る方が現役世代の「新しい生活困難層」の不満解消にはリーチしやすいのではないかとも思う。2026/08/09




