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岩波新書
謎解き洛中洛外図

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004304357
  • NDC分類 721.4
  • Cコード C0221

出版社内容情報

京都の市中・郊外の名所や風物を描いた洛中洛外図屏風.伝存する作品のなかで,屈指の名品は狩野永徳の代表作とされる上杉家本である.だが近年,狩野永徳作を疑問視する学説が登場して,日本中世史・美術史を巻き込む大論争が勃発した.絵画史料解読の開拓者である著者がこの謎に挑み,歴史研究の醍醐味を存分に示した快著.

内容説明

京都の市中・郊外の景観を描いた洛中洛外図屏風の中で、屈指の名品は狩野永徳作と伝えられる上杉家本。だが近年、通説を疑問視する学説が登場し、学界に大論争を巻き起こした。絵画史料解読に精力的に取り組んできた著者がこの「謎」に挑み、研究史をふまえた推理の過程を提示する。歴史家の謎解き作業を示す知的刺激にみちた好著。

目次

1 「謎」としての上杉本洛中洛外図
2 洛中洛外図の探究案内
3 研究史とその諸画期
4 「1547年の京都」説と反論・批判
5 「公方の構想」説と推理の立脚点
6 貴人の大行列と最初の仮説―永禄四年十二月二十三日
7 疑問と再考
8 史料の発見と「謎」の解決―永禄八年九月三日と天正二年三月
9 結論と新たな旅立ち

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

13
この本に書いてある画は米沢にあって見たことがあります。非常に細かに書かれており、人物も相当な人数がいるのではないかと思われます。この本はそのような絵についての刺激に満ちた探究の過程を書いておられます。研究者の手法が非常に勉強になります。この本を読んでまたこの絵を見たくなりました。2014/06/27

田中峰和

10
あの有名な洛中洛外図屏風の分析と読解、そして推理をする本。狩野永徳の作品で国宝にも指定されている。戦国・近世大名の上杉家に伝わってきた作品で、織田信長が上杉謙信に贈ったとするのが定説。そもそも制作を永徳に命じたのは将軍足利義輝で、盟友上杉謙信に贈るためだった。だが、義輝は制作段階で松永たちに急襲され非業の死を遂げてしまった。その後も永徳は制作を続け、注文主がいないまま完成させ手元に置いていたが、新たな支配者信長に屏風を披露した。武田攻めで違約して攻撃しなかったお詫びに屏風を贈ったというのが事実らしい。2019/09/18

アメヲトコ

7
久し振りに再読。洛中洛外図の作者は誰で、誰が註文して誰に贈られたのか。いつ頃の京都の景観を描き、いつ制作されたのか。洛中洛外図上杉本に関する上記のような基本的な謎に挑んだ一冊です。謎そのものは決定的な史料の発見によってある意味あっさり解決しちゃうのですが、本書の面白さは上杉本をめぐる永年の論争の論点整理と、彼らがいかなる視点からどのように考えたかのプロセスを明快に示したところでしょうか。絵画史料入門として好適の一冊です。2020/11/18

犬養三千代

7
何でだろう。様々な諸説を解説しただけに思える。自説を強力におしても良かったのかなと。2019/10/05

おらひらお

5
1996年初版。内容も面白いですが、研究の進め方の一例がわかる一冊ですね。この屏風に2479人の人物が描かれています。2014/05/30

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