岩波文庫<br> シンボル形式の哲学〈2〉神話的思考

岩波文庫
シンボル形式の哲学〈2〉神話的思考

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  • サイズ 文庫判/ページ数 495p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003367322
  • NDC分類 134.8
  • Cコード C0110

出版社内容情報

理性による認識の領域にとどまらず,言語・神話・宗教・芸術など,より広範な文化諸領域における精神の表現形式を,シンボルを基本概念に据えて解明したカッシーラー(一八七四‐一九四五)の主著.第一巻では,豊富な資料を駆使しつつ広範な視野に立った言語哲学を構築する.(以下第二巻「神話的思考」,第三巻(上・下)「認識の現象学」)

内容説明

空間・時間・数といった認識の基礎概念のみならず、所有権のような法的・共同体的概念、そして経済・芸術・技術などもみな、神話的意識のうちから発生してきたのであり、精神文化の基本的諸形式は神話と深く関連している。厖大な資料を縦横に駆使しつつ、人類がたどった神話的‐宗教的意識の展開を考察する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

6
第一巻で、相互浸透する感性次元から抽象化し、自立するシンボル形式としての「言語」を描出した著者は、本巻ではシェリングの批判的態度を踏襲し、神話的思考を言語レベルから分離するためにいったん寓意的解釈を退ける。こうして思考、直感、生活の3形式を持つ自律的なシンボル形式となった神話は、自然の解釈に留まらず「第二の自然」となり、ヒトの意識や行為、発達に関係する「自己完結的な把握形式」である、と著者は強調する。神話の遡行的探求によって、本書は、シンボル形式において「言語」と「神話」が共通の構造を持つことを指摘する。2019/04/25

TTTtaku

0
我々の複雑化し、細分化した認識の前段階、原初的的段階としての神話について論じた本で、神話的思考の形式とその発展が詳細に論じられている良書です。単なる文学的趣味から一歩進んで神話を理解したい人は、手にとってみると良いと思います。前巻の「言語」を読まずとも理解できるかもしれませんが、カッシーラがシンボル形式の哲学ということで何を射程に捉えているのかを理解するためにも、前巻を読んでおくべきですし、神話と言語の発展の形式的類似性を本書の終わりで論じているので、是非とも読んでおきましょう2013/03/06

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