出版社内容情報
かならずしも長くはない一生にナポレオン(一七六九―一八二一)はおびただしい量の手紙・布告・戦報・語録などを書き,あるいは口授した.本書はそのうちから最も意味深く最も興味深い文章を選んで年代順に配列したものであって,不世出の英雄の波瀾にとむ生涯が,かれ自身の筆とことばによって生々しく記録されている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
59
かっこよかった。彼の偉業が深い哲学と知恵、そして勇気に基づくものであり、その特質は情熱に依拠していることが感じられる。何度も読みたい一冊だ。ナポレオンに対する研究文献が今日にいたるまで20万点を数えているのもうなずける。彼の評伝は「好意的なもの」「否定的なもの」「客観的なモノ」の三つに大別されるという我、そのうちでも本書は、何よりも彼をありのままの姿を知るための彼自身の言葉を編んだものである。2015/07/25
しゅてふぁん
50
『それにしても、私の生涯は、何という小説(ロマン)であろう!』-軍人であり、革命家であり、皇帝、そして文人でもあったナポレオン。印象に残ったのは『戦争は奇妙な技術である。私は六十回もの戦闘を交えたが、早くも第一回の戦闘の時から知っていたこと以外には何一つ学ばなかった。』…色々と考えさせられる言葉だ。ジョゼフィーヌやマリ=ルイーズへの愛の言葉や嘆き、懇願や執着も書かれていて楽しめた。何の知識がなくてもあっという間に最後まで読めたので、彼が生きた時代について知った上で読めばとても面白いのではないかと思った。2021/12/22
井月 奎(いづき けい)
39
何かを成した人は幸せだと思うのですが、ナポレオンは本人自分をどうも幸せだとはとらえていないように思います。根っからの軍人であること、軍人としてのものを成すというのは敵を撃退することととらえているのでしょうか? だとするとナポレオンの敵はだれだったのでしょう?閑話休題。セント・ヘレナに幽閉されてからのほうが文章ががぜん魅力的になるのが不思議であると同時に、そういうものかな、とも思わせました。人への視点と視線はとても参考になります。2024/03/25
金吾
29
○ナポレオンの感性や政治的視点の鋭さがわかります。カエサルやチャーチルのように文学的に優れている政治家はナポレオンを含め魅力的に感じます。兵に告ぐはどれも絶品であり、当時の軍隊がナポレオンについていったのがよくわかりました。欲を言えばジョセフィーヌへの手紙より兵、国民への呼び掛けをメインにしてほしかったです。2023/03/20
ナン
9
再読。初読時は、内容が頭に入らなかったが、今回はある程度勉強してから読んだので、実際の出来事と結びつけて読めた。映像や肉声はない時代だが、当時の文章でナポレオンの考えや感情に触れることができた。特に、セントヘレナ幽閉後の口述記録は自身の正当性を強く訴えながらも、どこかもの悲しさも感じた。また、原著者による「解題」が載っており、ナポレオンの文人、詩人としての偉大さを絶賛しているが、そのすごさを理解するにはフランス文学についての知識、更には彼の言葉をフランス語で理解するところまで行かないといけない気がした。2021/01/02
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