岩波文庫
浄土三部経〈上〉無量寿経 (改訳)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 380p
  • 商品コード 9784003330616
  • NDC分類 183.5
  • Cコード C0115

出版社内容情報

仏教諸経典の中でも,日本人の心に最も深い感化を及ぼした浄土三部経(『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』).漢訳には流布本を採用,サンスクリット原典を逐一参照しつつ読みくだし,サンスクリットの翻訳にあたってはわかりやすさを旨とした.最近の研究成果をとり入れ完璧を期した改訂版.上∥無量寿経,下∥観無量寿経・阿弥陀経.

内容説明

仏教諸経典の中でも、日本人の心に最も深い感化を及ぼした浄土三部経(『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』)。漢訳には流布本を採用、サンスクリット原典を逐一参照しつつ読み下し、サンスクリットの翻訳にあたってはわかりやすさを旨とした。最近の研究成果をとり入れ、完璧を期した改定版。(上)には『無量寿経』を収める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

29
膝の高さまで香り高い花々が散り敷き鳥たちが歌い交わす浄土の描写以上に胸を打つのは、いまだ覚りに達していない迷える人々がいるかぎりは決してその浄土に入らないと誓って、四十八の願をかけて穢土にとどまり修行を続けるという宝蔵菩薩(阿弥陀如来の修行中の名)の堅い決意。ということは今この瞬間も迷い苦しむ人がいるのだから、まだ彼は阿弥陀仏になっていないのだろうか。というよりも、もしも誰一人迷う人がいなくなれば、浄土ははるか西方ではなく、この地上に現出するのではなかろうか。「神の国は近づいた」の洗礼者ヨハネを連想しつつ2021/12/29

壱萬参仟縁

28
和訳→書き下し→原典校異→和訳註→書き下し文註 の構成。幸あるところという世界は、種々のかぐわしい香があまねく薫っており、種々の花や果実が豊かであり、宝石の木々に飾られ、如来によってあらわし出された、妙なる音声をもつ種々の鳥の群れが住んでいる(63頁)。全体の作風からは、河上肇のコーカサス地方の果樹園のような桃源郷を想起した。ユートピアを想像するにはうってつけの良書と言える。アーナンダよ、では、(ああ、何だよ? ではない)争いも、論争も、紛争もない。平等の心の無い者は存在しない。2015/10/04

零水亭

18
やはり「三毒段」「五悪段」にグッと惹かれます。サンスクリット原本、チベット訳、魏訳より後の中国訳などにないことから、中国で編入された説もあるとか…インドにせよ、チウゴクにせよ、当時の人々の苦しみが伝わってくるようです。2024/02/18

加納恭史

17
さて、阿満利麿著「無量寿経」を読むうちに、下巻の解釈に戸惑って、更に上巻と下巻の繋がりの理解を深める為に、この本を検討しようと思った。まえがきで著者は述べていることだが、日本人一般に最も深く感化を及ぼしたものは、恐らく浄土三部経であろう。浄土経は日本仏教のうちで最も多くの信徒をもっているし、浄土教以外の諸宗派でも浄土教から直接間接に多大な影響を受けている。かなり多くの日本人に認められる謙虚で誠実な心情は浄土教と無関係ではないだろう。浄土三部経のうち、この「無量寿経」はその中心の眼目であろう。2022/01/17

零水亭

16
「三毒段」、「五悪段」に考えさせられ、「四十八願」の決意・覚悟に感動。これらの箇所は何回も読もう…2023/06/24

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