出版社内容情報
古代オリエントに誕生し,人間の歴史にはかり知れない影響をおよぼした壮大な物語の殿堂が,現代の日本語によみがえる.宇宙の創成,民族千年の興亡,終末観に閉ざされた社会と文化,愛のよろこびに震える魂の歌-ここにはすべてがある.旧約聖書学の進展を踏まえ,最前線に立つ気鋭の訳者陣が渾身の力で取り組む,画期的な新訳.
目次
ヨシュア記
士師記
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
97
この巻から歴史書になります。ヨシュアの生涯と王なき時代の士師たちの物語はまるで日本の戦国時代を彷彿とさせました。繰り返される戦い、王がいない中での個別の部族たちの争いと解決。ヨシュア記で提示されたイスラエルの危機が局地的なものへと移っていくのが見てとれます。最後に新しい神に代わる存在が次の物語への布石であり、全ての物語を締めくくる意味でもあるのでしょう。2017/02/05
きゃんたか
20
現代の我々が最も毛嫌いするものの一つに、神の名の下でなされる聖戦を挙げても良いだろう。ヨシュア記ではまさに、アブラハム以来の念願であった神の約束がヨルダン川を渡るイスラエルの民によって果たされる。古代、戦争とは神と神とが争う宗教戦争であり、戦勝国の民は神なきものと成り果てた敗者の土地を神への捧げ物とせねばならなかった。そのタブーを犯す者は、イスラエルの民であろうと裁きの死を免れない。殺人は決して正当化され得るものではないが、そこには今日の世俗社会におけるような無意味な虐殺は無かったのである。2017/06/19
讃壽鐵朗
3
日本の戦国時代を思わせるような戦いの記録2015/08/02
v&b
2
まさに血を血で洗う。バイオレンスの度合は、三国志より余程上かもしれない。2012/08/11
しいかあ
1
ヨシュア記でバーっとカナンに侵入したものの、士師記になると周辺部族にいじめられたりやり返したり。本文だけ読むとヤハウェの指示は凄惨なものに思えるけれども、解説の聖絶についての説明を読むと多少納得できる。そしてアカンのしたことがなぜアカンかったのかも。士師記はどう考えてもサムソンの話だけダジャレ満載の笑い話で他の話と毛色が違うんだけど解説ではおもいっきりスルーされてる。解せぬ。2014/12/17