感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
柳瀬敬二
9
「この一冊で後期デリダの思想の概要を掴むことができる」、デリダ入門書として紹介されていた講演録。デリダ思想の面白さは、「無条件の歓待」、「不可能を超越した可能」といったワードに象徴されるように、理想を示しておきながらその理想に決して到達できないと明言するところ、真理でありながら語義としては完全に矛盾しているところにあると思う。また、それらのデリダ思想は決して机上の空論ではない。ユートピアは不可能だとしても、より良い社会を目指そうとする彼の意志が強く反映されている。2015/08/11
つまみ食い
6
シドニーでのデリダによるセミナーと現地の研究者らとの質疑応答を収録した一冊。『歓待について』『死を与える』など晩年の著作に基づいたものが多く、フーコーの「人間の死」に雑に代表されるようなフランス現代思想のイメージとは裏腹に、「来るべき人間」といったリベラルな考えも見える。2024/11/23
ポカホンタス
4
デリダのシドニーでのセミナーの記録。慣れない英語での発言であるせいか、大変わかりやすく語るデリダが印象的。それに比べて、他の哲学者たちの話はまどろっこしい。デリダの発言だけ読んでいれば十分、って感じだった。「決定が決定であるためには、それがいかに狂ったものや狂気じみたものに聞こえようとも、私の決定は、私のものであるべきではありません。それは、不可能なものとして、(他者)の決定であるべきです。そして私は自分のものではない決定に対して責任をとらなければなりません。」(p126-7)ほんと、その通りですね。2011/01/03
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1
「決定が決定であるためには、それがいかに狂ったものや狂気じみたものに聞こえようとも、私の決定は、私のものであるべきではありません。それは、不可能なものとして、〈他者〉の決定であるべきです。私の決定は、私のなかの、あるいは私をとおしての、〈他者〉の決定であるべきです。そして私は、自分のものではない決定に対して責任をとらなければなりません」(126-127)2022/03/27
ぽてと
1
こんなわかりやすいはずの講演録でもまともに理解できないのだから、私の理解力が不足しているのを考慮に入れてもデリダとは相性が悪いのだろう。それでも、彼が無条件の歓待はあくまでも理念であると認めてくれたのは分かった。2016/07/14
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