内容説明
本書は宗教教団が「救済」の名の下に引き起こした宗教事件について、事件に巻き込まれ騙された信者の側に立ち、事件現場あるいは法廷での取材を行って得られた知見を踏まえたルポ。詐欺や殺人といった単なる民事・刑事事件としてではなく、宗教行為に伴う宗教問題として捉え、宗教の内在的批判を通して宗教事件のカラクリに迫る。
目次
第1章 予兆―八〇年代後半宗教事件・考
第2章 遺体と暮らす
第3章 祈りの値段
第4章 違法伝道の果て
第5章 確信の宗教殺人―オウム真理教
第6章 宗教的理想と世俗
著者等紹介
藤田庄市[フジタショウイチ]
1947年、東京都に生まれる。大正大学文学部哲学科宗教学専攻卒。フォトジャーナリスト。日本写真家協会会員。(財)国際宗教研究所・宗教情報リサーチセンター研究員。現代宗教、カルト、山岳信仰、民俗宗教・芸能など、宗教取材に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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加藤久和
3
1987年頃から約10年間に渡り常軌を逸した宗教事件が多発していたことに驚く。その流れの頂点とも言えるオウム真理教事件に多くの紙幅が割かれているが、そこに至る前に既に不気味な信仰集団による凶悪事件が起こっていたことに注意しておきたい。もちろん「凶悪」というのは我々世俗の側の感情であり理屈ではある。信仰の自由を絶対視し、国家権力が宗教法人に対して及び腰であり続ける限りは今後同様の事件が繰り返されないと断言することはできないだろう。宗教事件についてここまで深く考察された類書が少ない中、貴重な一冊であると思う。2022/05/18
e r i .
2
中川と巫病について2017/04/22
やぶチャン
0
新興宗教に対する公平で冷静なバランス感覚の分析本でした★4.22016/12/07
咲
0
「信教の自由」に対して法はどれだけ踏み込めるのか。やっぱりオウムの話が一番印象深い。新実氏の法廷での証言は背筋が寒くなった…2012/01/31
ほそい
0
丁寧な仕事。信教の自由と精神の自由。A2009/01/04