出版社内容情報
広島・長崎は人類初の核攻撃を受けた受難の地であると同時に,アジアに対する侵略基地でもあった.また,被爆者の中に韓国人・中国人がいた事実.被爆の体験を広い視野から問い直し,現代を見すえた国際シンポジウム.
内容説明
広島・長崎は人類初の核攻撃を受けた受難の地であると同時に、アジアに対する侵略基地でもあった。また、被爆者の中に韓国人・中国人がいた事実。被爆の体験を広い視野から問い直し、現代を見すえた国際シンポジウム。
目次
被爆者の証言―アジアから見たナガサキ
パネリストの発言―文学は何ができるか?
あいさつ―被害と加害、差別の問題
討論―戦争責任と民衆
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
66
2016年923冊め。1989年10月22日に長崎市平和記念会館で行われた日本社会文学会主催の国際シンポジウム《核と文学――アジアから見たナガサキ》の記録。被爆者の証言はどれだけ読んでも胸が詰まる。「文学は何ができるか」という問い、「被害と加害、差別」、一億総懺悔と言われて責任の所在がうやむやになったことなど。2016/10/29
ちえ
34
読友さんに教えてもらい他館へリクエスト。1989年「日本社会文学長崎大会」シンポジウム書き起こし。気が付かされたことが多く返却までに消化しきれない。原爆が兵器として使われる前に被爆しているコンゴやアメリカ原住民、兵士がいる。長崎は原爆投下された場所でもあるが、韓国や中国から強制連行で長崎に連れてこられた造船所で原爆被害にあった人達がいて、彼らは何の保証も受けないまま帰国させられた。さらに長崎には捕虜収容所もあり彼らも被爆した。一方的な被害はなく、被害と加害は繋がってぐるぐる回っていると感じる。2019/12/05