内容説明
「俺だって勇敢な冒険者に憧れたのさ」
「昇格手伝ってあげよっか」
所属していたパーティーを追放され、その日稼ぎを続ける万年シルバー(底辺)の中年冒険者ロンド。かつて抱いた夢はとうの昔に忘れ、このまま酒に溺れる毎日かと思いきや、史上唯一のアダマンタイト級(最高位)の神官リディアとの邂逅を機に、彼は再び表舞台の最前線へ飛び込んでいくことに。
「戦士くんの活躍は見事だったよ」
「そりゃ過大評価だ」
そうして泥臭く命を張りながらも高みに近づいていく姿に、やがて多くの者が密かに彼を認めていき――これは数多の敗北と失敗を重ねた玄人(おっさん)が、いずれ最高の冒険者に成り上がるまでの遅咲きの英雄譚。
感想・レビュー
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よっち
21
所属パーティーを追放され、その日稼ぎを続ける万年シルバー中年冒険者ロンド。彼がアダマンタイト級神官リディアとの出会いを機に変わり始める英雄譚。愚痴を聞いて飲んだくれて意気投合して、勢い余って最高位の神官リディアとやらかしてしまったロンド。一夜の過ちから生まれた繋がりから少しずつ意識を変わっていって、かつてのパーティーリーダーの死、暫定的に組んだパーティーで起きる苦難に向き合う中、ロンドは多少経験が豊富な凡人で、けれど寄り添ってくれる彼の優しさに救われたヒロインたちから慕われるのも分かるような気がしました。2025/09/10