動物たちの江戸時代

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動物たちの江戸時代

  • ISBN:9784766430288

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内容説明

「犬が独りでお伊勢参りに行ったって? そりや愉快、べらぼうだい!」

江戸時代、人と動物たちはどのような関係であったのか?
西洋文化が流入する以前の日本人と動物たちとのかかわりを、古文書読みに長けた動物好きの専門家たちが描く。

犬、牛、馬、鹿、猪、鷹、鶴、猫、鳥、獺(カワウソ)、熊、鯨……。江戸時代の動物たちが勢揃い! 狩る、食べる、愛でる、働いてもらう、薬にする、旅に行かせる……など、実に様々な人と動物たちの関係を古文書や浮世絵などから読み解き、動物とともにある日本人の姿が浮き彫りに。
動物愛護やアニマルウェルフェアを考える上でのヒントも満載!
有名な「生類憐みの令」は江戸時代の人々をどう変えた? 現代と同じようなペットブームがあったって本当? など 知っているようで知らない意外な話も続々。多彩な文化が花開いた江戸時代は、動物たちを通して見ても、とっても面白い!

目次

序(井奥成彦)
第一章 犬の江戸時代(井奥成彦) 
第二章 牛と馬が支える江戸時代の暮らし(髙橋美由紀) 
 Interlude1 出土馬骨の研究(佐藤孝雄) 
第三章 狩られる鹿・猪たち――徳川将軍の「鹿・猪」狩り(藤井典子) 
 Interlude2 江戸大名屋敷の獣肉食――慶應義塾中等部構内から出土した動物骨から(石神裕之) 
第四章 鶴と鷹の江戸時代――徳川将軍と「御鷹之鶴」(藤井典子) 
第五章 江戸のペットビジネス(小沢詠美子) 
 Interlude3 江戸時代の狆飼育(岩淵令治) 
第六章 薬となった動物たち(重田麻紀) 
 Interlude4 象との出会い(上野大輔) 
第七章 鯨と江戸時代人(上野大輔) 
 Interlude5 豊後国浜之市の曲馬芝居と見世物(神田由築) 

おわりに
編者・執筆者紹介

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちさと

25
江戸時代の動物というと「生類憐れみの令」を想起するが、動物への愛情が具現化され(ペット化、ブリーダーの誕生)、動物倫理、動物福祉(育て方指南書、供養塔)が芽生えた時代でもあった。本書は、江戸時代の人と動物との関わり合いを多方面に取り上げ考察したもの。主人の代わりに伊勢へ参拝する「おかげ参り」の「おかげ犬」を、土地土地の見知らぬ人たちがリレー方式でお世話し、帰宅する頃にはおかげ犬のお財布が逆にほくほくしていた事も少なくなかったとか。経済的にも心の面でもゆとりが出来たことの現れかな。獣肉食研究も面白かった。2025/06/09

りょうみや

19
江戸時代といっても265年と長い。初期から後期へと少しづつ動物愛護の意識も高まっていったのがよく分かる。生類憐みの令もきっかけだけど、少しづつ生活が向上していったのも大きい。特に犬が単独で多くの人の助けを借りながら伊勢参りをしていたというのにびっくりする。ペットの他にも、狩り、食、見世物など多面的な話題が詰まっている。学術書に近い内容。2025/07/12

わ!

6
昨今解釈が変化してきている「生類憐れみの令」などの情報も読めて面白かった。犬や猫に関しては、他にも研究本が出ているが、その他の動物と日本人との関わりについてはほとんど知らなかったので楽しい。この本に無い記事として「生類憐れみの令」以前には、犬は食用になっていたとこの本にも書かれているが、なら現代に伝わっている秋田犬や柴犬などの品種はいつ頃からできたのだろうか?…と言う疑問に対する回答や、関西圏にある牛を中心とした祭(牛祭や献牛祭)などの情報も欲しかった。これらの情報は、また別の本で探すとします。2025/07/04

るなたん

2
富山県水墨画美術館「どうぶつ百景」(2022年パリ「江戸東京動物たちとの暮らし展」凱旋帰国展)の鑑賞前に予習。動物好きにはたまらない本です。資料も充実して知識の幅も広がりました。興味深かったのは「生類憐みの令」「馬」「ペットビジネス」「薬となった動物たち」「鯨」2025/08/11

於千代

1
江戸時代における動物と人々の関わりを多角的に論じた論集。 食料や薬として利用される動物、あるいはペットとして可愛がられる動物など、当時の人と動物の多様な関係が浮かび上がる。 特に印象に残ったのは次の点。 ・生類憐みの令の処分例から、酔って犬を斬り殺したり、馬に斬りかかったりといった事例が多く見られる。中には犬を磔にした武士もおり、現代で言う猟奇的事件のようなものも発生していた。 ・江戸時代でも裕福な人々は、ペットの犬や猫に戒名を付け、石の墓を作っていた2025/08/16

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