〈声なき声〉のジャーナリズム - マイノリティの意見をいかに掬い上げるか

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〈声なき声〉のジャーナリズム - マイノリティの意見をいかに掬い上げるか

  • 著者名:田中瑛【著】
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 慶應義塾大学出版会(2024/06発売)
  • ポイント 32pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784766429633

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内容説明

SNS時代のジャーナリズム論

誰もが情報を発信し、フェイクニュースが氾濫するこの時代に、
ジャーナリストは「真正性」をいかに担保し、
マイノリティの声を掬い上げ、活性化させるべきなのか。

『真相深入り!虎ノ門ニュース』や『ハートネットTV』、『クィア・アイ』といったTV番組の言説構造の分析から、情報の送り手と受け手の関係性を編み直し、ジャーナリズムが〈声なき声〉をいかに掬い上げ、活性化すべきかの方途を探る。

そして、ジャーナリズムの担い手が送り手と受け手の垣根を超え、等身大の自分自身として語り、自分たちの居場所としてのメディアについて考える。
そうした社会のかたちのイメージを描き出し、もっと幅広い文化的実践をジャーナリズムとして再評価していく。

目次

序論 「声なき声」をどのように活性化すべきか
第1章 「声なき声」の活性化、「真正性」の政治
第2章 「声なき声」と娯楽化する政治――『虎ノ門ニュース』における「読解の肩代わり」
第3章 公共サービスメディアの葛藤――『ハートネットTV』におけるメッセージ性と「真正性」の調停
第4章 ポピュラー・ジャーナリズムとしてのリアリティTV?――『クィア・アイ』における「裏側の物語」と連帯の政治
第5章 ジャーナリズムの境界線を引き直す――対話の場を紡ぐための役割
第6章 「真正性」の政治を内側から攪乱する――オルタナティヴなメディア環境はどのように可能か
補論 対話のためのメディア・デザインに向けた試論――メディア・ワークショップの設計と批判的考察から
結論 今後のメディア・ジャーナリズム研究に向けて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

manabukimoto

2
少数派、大きな声で主張しない人たち、そんな彼/彼女たちの「声なき声」を如何に掬い上げるか。 筆者の結論は「『真正性』を共に構築するメディア実践を通じて、集合的な主体と場を再生していく必要がある」p238という。 昔の深夜ラジオのような同時性が生む一体感も、オンデマンドで薄れてきた。ネットを併用した相互性が生み出す「会話」「対話」による新たな価値観の創造が必要。そんな対話における相互変化の好例として、平田オリザ先生とファブ5が言及されていたにが印象的。腑に落ちた。 福井県立図書館蔵書2025/04/23

URYY

2
昨今の、わたしが属するファンダムでの議論を熟議型(声の抑圧と利益集約的コミュニケーションで合意形成する)でなく、闘技型民主主義で維持できるか考えた。差異による対話で、どうやって規範をなさずに、権力や資本を利さずに、ファンダムの民主主義を維持できるか?2024/08/06

mori-ful

0
ニック・クドリーのメディア儀式論と、リアリティーショー論が気になった。2024/11/29

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