内容説明
BTS、TWICE、BLACKPINK、NewJeans―今や世界的人気を誇るK-POPアーティストたち。彼らの活躍の裏には日韓がおりなした数十年にわたる歴史があった。抑圧と解放に翻弄されながら、大衆の欲望は、ポピュラー音楽の舞台の上で、反射しあい、ねじれ、交差する。歌謡曲から、韓国演歌、J-POP、K-POPの時代まで、日本と韓国はいかに自己/他者のイメージを構築し、欲望しあい、「POPの夢」を見たか。もうひとつの日韓戦後史を描き出す。
【書評掲載多数!】
・「1965年の国交正常化以降、現在に至るまでの日本と韓国の大衆音楽のそれぞれの歩みと相関について、一冊で大きな見取り図を与えようとする気宇壮大な試み。」ー『時事ドットコム』【今月の一冊】2024年3月9日掲載。輪島裕介氏(大阪大大学院教授)評。
・「著者は日本/韓国、J-POP/K-POPという単純な二項対立に亀裂を走らせながら、東アジアの音楽世界の揺らぎと複雑さに目を凝らしている。そこに本書のおもしろさはある。(中略)韓国音楽を知るための基本文献として強くお勧めしたい。」ー『ミュージック・マガジン』2024年4月号掲載。大石始氏評。
目次
はじめに
第Ⅰ部 歌謡曲の時代
第1章 演歌/トロットの誕生と音楽なき「日韓国交正常化」──李美子「トンベクアガシ」と倭色禁止
第2章 音楽大国日本への欲望──日韓のロックと「ヤマハ世界歌謡祭」
第3章 「韓国演歌」の誕生と民主化前夜──李成愛、吉屋潤、チョー・ヨンピルの日本進出
第Ⅱ部 J‐POPの時代
第4章 J‐POP一極化と「アジアン・ポップス」──ソテジワアイドゥル以降の韓国ポップ
第5章 禁止と開放の中間地点──T-SquareからX JAPANまで
第6章 東アジアの文化権力を変えるK‐POP──「韓国型アイドル」の誕生
第Ⅲ部 K‐POPの時代
第7章 「J‐POP解禁」と2000年代日韓の軋轢──CHAGE and ASKA、安室奈美恵、嵐、そして渋谷系
第8章 J‐POPとK‐POPの分かれ道──KARA、少女時代、TWICEが変えた秩序
第9章 ポップの夢──BTS現象とシティポップ・ブーム
おわりに/あとがき/注/参考文献/索引
感想・レビュー
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