家族

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家族

  • 著者名:村井理子【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 亜紀書房(2022/01発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784750517223

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内容説明

何度も手痛く裏切られたけれど、それでも愛していた。


舞台は昭和40年代、港町にある、小さな古いアパート。
幸せに暮らせるはずの四人家族だったが、父は長男を、そして母を遠ざけるようになる。

一体何が起きたのか。
家族は、どうして壊れてしまったのか。

ただ独り残された「私」による、秘められらた過去への旅が始まる。
謎を解き明かし、失われた家族をもう一度取り戻すために。


『兄の終い』『全員悪人』の著者が綴る、胸を打つ実話。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

130
夫と双子の息子たちそして愛犬と琵琶湖近くで暮らす村井さんも実家の家族との関係に悩んで育った。表紙の写真を見る限りこの時代どこにでもいる家族。ほとんどの家庭は収入が少なく家は狭くガチャガチャと暮らしていた。でもこの家族は何か違う。両親と兄の四人家族。彼女が大病したこともあり父は彼女には甘く優しいが兄には非常に厳しかった。長男だから…というには度がはずれていた。今でなら発達障害の兄、その兄を溺愛する母。母からの愛を感じたことはない。複雑な思いを持ち続けた村井さん、これで吐き出せたのかな。「兄の終い」より強烈。2023/04/05

mukimi

110
センチメンタルで重苦しい回顧録。家族のことで悩み苦しんだ経験のある私としては不幸自慢という言葉さえちらほら頭をよぎった。家族の内情という、毎日必死で生きることで自分さえも忘れようとする心の奥のパンドラの箱を一般開放する作者の覚悟はまだ私は理解できないし、最後にそれでも今の自分があるのは家族のおかげと感謝を述べられるまでの作者の苦悩と葛藤もまだ私は想像できない。私はまだまだ家族への愛とか憎とか昇華しきれないみたいだ。ただ、人生の先輩である筆者の家族に自分の家族を投影して、救われたり教えられたのは確かだった。2023/10/04

ネギっ子gen

95
読み終え連れ合いは、「鎮魂の書かなぁ……」と。<手に余るほどやんちゃな息子と、心臓病の娘。プライバシーのない田舎で新しい生活を始めた、三十代前半の若夫婦。それが私たち家族だった。私は母のことが好きだった。他界して七年にもなるが、理解はできなくとも、今でも好きだ。何度も衝突し、何度も手痛く裏切られてきたけれど、彼女のことを憎みきれない>と。“発達障害”とか“共依存”“毒親”などのワードが浮かぶが……。家族一人ひとり、それぞれが優しい人たちなのに、不器用にしか生きられないため、互いに傷つけ合う姿が切なく……⇒2022/03/17

どんぐり

89
昭和40年代に生まれた著者の定位家族は、田舎の港町でJazz喫茶を経営していた両親、発達障害気味の兄の4人。手に余るほど多動だった兄と父親との絶えることのない諍い、朝の顔と仕事でアルコールの入って帰ってくる夜の顔が別人のようだったという母親の数々のエピソードから、機能不全家族であったことを赤裸々に語る。31年前に亡くなった父親、7年前に亡くなった母親、そして2年前に亡くなった兄のことを想い、「とうとうひとりぼっちになった」と述懐するものの、この薄い本では、家族の関係性によくわからない部分もある。→2022/12/02

ゆみねこ

86
不在がちで兄を厳しく叱りつける父、兄を溺愛し心が不安定な母、今の時代なら何らかの発達障害と言われるであろう多動の兄。愛情に飢え怒声に怯える娘の視点で語られる家族。「兄の終い」を読んでいたので村井さんの家族のことを読めて良かった。2023/03/27

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