「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本

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「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本

  • 著者名:山下泰平
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 柏書房(2019/05発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784760150076

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内容説明

文学史&エンタメ史の未確認混沌時代(ミッシング・ピース)!

「東海道中膝栗毛」の弥次喜多が宇宙を旅行する、「舞姫」の主人公がボコボコにされる、身長・肩幅・奥行きが同じ「豆腐豪傑」が秀吉を怒らせる――明治・大正時代、夏目漱石や森鴎外を人気で圧倒し、大衆に熱烈に支持された小説世界が存在した。
本書では、現代では忘れられた〈明治娯楽物語〉の規格外の魅力と、現代エンタメに与えた影響、そして、ウソを嫌い、リアルを愛する明治人が、一度は捨てたフィクションをフィクションとして楽しむ術(すべ)をどのようにして取り戻したのか、その一部始終を明らかにする。
朝日新聞とスタジオジブリも注目する、インターネット出身の在野研究者が贈る、ネオ・文学案内。

目次

はじめに 書くはずのなかった人間が書く混沌とした本
〈明治娯楽物語〉がざっくり分かる図と年表

序 章 小説未満の世界 明治の弥次喜多は宇宙を旅する
第1章 超高速!明治時代 五倍のスピードで万事が動く
第2章 庶民が愛した〈明治娯楽物語〉 日清・日露戦争で暴れまわる馬丁たち
第3章 〈講談速記本〉の帰還 無責任体制が生んだ娯楽(エンタメ)の王様
第4章 地獄に落ちそうな勇士ども 長広舌の真田幸村二世&神より強い猪突猛進男
第5章 豆腐豪傑は二度死ぬ ミスター講談速記本・桂市兵衛
第6章 〈最初期娯楽小説〉の野望 「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする
第7章 「科学」が生んだ近代キャラ 嫌われ作家の奇妙な冒険
第8章 〈犯罪実録〉という仇花 強くない、謝らない、いいことしない犯罪者たち
第9章 忍者がやりたい放題するまで 忍者復活の影にアメリカの怪力女あり
第10章 恐るべき子供豪傑たち 大人をボコボコにする少年少女
終 章 不死の聖

主要参考文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

105
題が長い。 明治娯楽小説について。物語は破綻しているが辺に強い主人公らが出てくる。 一応、呼吸法とか合気とか、後期には理屈付け2025/06/16

石破茂辞めるなと思う24歳レースクイーン・寺

81
これは面白い!いきなりおすすめする。本書は文学史に記されて来なかった明治の娯楽物語についての本。紹介される本自体の面白さに加えて、紹介する著者の文章が面白い。明治の講談速記本、書き講談、犯罪実録エトセトラ。私もかつて立川文庫を3冊ほど読んで、面白さと奇妙さに魅了された事があるが、それ以上に強烈な内容の講談や小説がある事に驚嘆させられた。人命の軽さに読んでいてしばしば声を上げて笑った。しかし著者は決して裏笑い的にばかり扱っているのではない。終章の記述にはなるほどと唸らされ、愛を感じた。輝くもう1つの文学史。2019/05/03

星落秋風五丈原

50
明治時代というのは様々な混沌が発生したようで、日本史の勉強で言文一致体だとかお札になった文豪とかの話はしたものの、本編に載っている書籍の事は誰も話してくれなかった。例えば弥次喜多アレンジ版。何とリアル弥次喜多がBLだったってホント?まあいいや。東海道を旅したのがオリジナルなら、二次創作ものは何と二人が宇宙に行く。えっその時代にもうロケットが?と思うなかれ。彼等は大砲の弾丸にへばりついて月へ行くのだ。いやだって燃えるじゃん!!無重力状態だし衝撃で大砲から離れちゃうよね? 2019/07/11

鷺@みんさー

40
タイトルだけでお腹一杯だが、中身はもっと混沌のごった煮であった。色々荒唐無稽な話が無秩序に紹介され、一つ一つのエピソードはそれなりに面白いんだけどだんだんわけがわからなくなってくる。つまりどういうことだ?と。が、こんな闇鍋にもちゃんと結びがあった。つまりは江戸の落語や戯作から、現代のクールジャパン的エンタメに至るまでに、明治の混沌が知らず知らず貢献していたんですよーということだった。ともあれ基本は「豪傑、なんでもありかーい」と突っ込んでればよろしい。ボリューミーすぎる感もあり。家系ラーメンのようだった。2019/07/13

Miyoshi Hirotaka

30
文学史に登場する作品は氷山の一角。水面下には無数の駄作が存在する。明治の大衆小説には、意識高い系が書いた娯楽小説や海外小説の翻訳、三面記事と大差ない犯罪実録、講談を速記した講談速記本があった。このうち、大衆に愛されたのは講談速記本。議会政治により一流の速記者が不足。二流、三流の速記者が不完全部分を補足したことで二次創作が発生。物語の人気キャラは徐々に変質した。無双キャラは科学の影響で強さに合理性が付与され、子孫という設定で少年少女が活躍した。これらは、様々な経路を経て現代の漫画やアニメの伏線になっている。2024/09/10

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