「古今和歌集」の創造力

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「古今和歌集」の創造力

  • 著者名:鈴木宏子【著】
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • NHK出版(2019/02発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140912546

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内容説明

なぜ梅にはウグイスなのか。なぜ秋は悲しいのか──。あらゆる詩歌や文学的感受性の〈型〉を創りあげた『古今和歌集』。第一線の古典和歌研究者が、レトリックと配列の緻密な分析から、天才編集者・紀貫之の企図を大胆に読み解く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Major

46
良書である。ー僕は古人の和歌が好きである。 万葉集、山家集、新古今集、金塊集・・・。 図書館でも書店でも手に取り次第、読み続けてきた。 密かにトイレや風呂で詠じてきた。 ふと気が付いた。 忘れていた。 生まれてこの方『古今集』を手に取っていなかった。 新古今の陰に隠れて忘れ置いてしまっていた。 何でも「新」に惹かれるのは人の性(さが)というものだろうか。 早速書店で古今集に関わるものを購入してきた。 これが大当たりだった。 何しろ読みやすい。 2020/04/27

かふ

17
『古今集』が100年間に渡って和歌で培ってきた集合知的なものを一つの歌物語として千首を並べ揃えた編者の紀貫之を中心とした試みは漢文化からの脱却であり日本文化の創造性を和歌という言葉の文芸を通して編集したのは、大勢の者が係わりながらも総合芸術としてまとめ上げられた映画のようなものだと思う。その総合監督しての力量が紀貫之にあり、技術論的なことは『和歌のルール』という本に詳しいのだが、そのなかで「見立て」の章を担当している鈴木宏子の『古今集』分析も見事なものだった。2023/08/20

はるわか

15
「こころ」と「ことば」。型。型を創造した編集者・紀貫之、見立ての達人。四季歌:移ろう時と「こころ」、理想的な四季の創造、変わる心と不変の自然。レトリックの想像力:見えないものにかたちを与える、場から「ことば」を汲み上げる。撰者。唐風謳歌。六歌仙:型を破る在原業平、こころ余りてことば足らず。小野小町と僧正遍昭。よみ人知らず:古今集の基層の歌。2019/12/15

Francis

14
猫町俱楽部の課題本。古今和歌集は国語の授業には出たし、一部の歌は百人一首で知ってはいたが、「万葉集」に比べると何となく近寄りがたいイメージがあり、敬遠していた。課題本になったのを機会に読んでみたが、この本でようやく古今和歌集がどのようなものか分かったと思う。恋の歌も色々技法や設定が凝らされているのが面白い。下手なj-popソングも顔負けかも。と言ってもまだよくわからないところがあるので再読が必要。この本の後で本物の「古今和歌集」を読むつもり。2021/02/21

俊介

14
素晴らしい本。まず、古今和歌集についてのいろはの説明から始まり、次に、当時の歌人たちの中に存在した「共通理解、共通感覚」を分析し、そしてついにはその歌を詠んだ個人の「こころ」の中にまで分け入る。入門者にとってありがたく、贅沢な一冊だった。また著者自身の文章がとても綺麗で、本書自体がまるで一つの文芸作品かのようだ。入門者以外でも楽しめるだろう。和歌というと情緒的なイメージがあったが、その背後には冷徹ともいえるほどの「理」によって支えられているこの、知性、感性の古典ともいうべき世界の核心を垣間見れた気がする。2020/04/28

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