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内容説明
道具を使い、社会的駆け引きをすることから「賢い」と思われているチンパンジー。しかし、例えば動物園で飼育される場合とは異なり、野生では、賢さ以外のさまざまな姿も見られるようだ。コドモのけんかから小競り合いを始めるメス親もいれば、そんな母親を見て気が大きくなったのか、よせばいいのに、さらに攻撃をしかけるコドモもいる。とても他人事には見えない…。チンパンジーと同じ目の高さで綴られた野生の記録。
目次
第1章 半獣神の末裔
第2章 日々の暮らし
第3章 相互行為
第4章 社会
第5章 文化
第6章 闇
第7章 他者としてのチンパンジー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomoko.H
8
チンパンジーも人間みたいな社会を作っているんだね。求愛の仕方とか、毛づくろいの仕方とか生き残りに有利かどうかには全然関係ないと思われる習慣の違いが、集団や地域で異なることがあるというのは面白い。これは文化といっていいのでは。もっとも研究として注目されるのはやっぱり、こんな道具を使ってた、頭いい!とかそういうことになりがちなのか。だいたい賢いとは、ずるいとは、その他人間の基準で評価することの意味は。2021/09/28
tomosun
2
タイトルが直裁すぎて思わず手にとってしまった。 チンパンジーの観察記録がふんだんに使われている。 各章のはじめにひかれている、いろんなジャンルの本からの引用が面白い。2015/09/03
青緑
2
非常に良い本。以下の点が素晴らしい。 ・人間中心の身勝手なチンパンジー論ではない所 ・自身が観察者であり主観に左右される可能性があることに常に自覚的な所 ・他人の説について意見を述べるが間違いと決めつけていない所 ・チンパンジーへの愛情が感じられる所2010/03/10
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
0
【ココロの琴線に触れたコトバ】使い古された言い方をすれば、物質的な側面では世界は急速に均質化する。しかし、挨拶などの社会的な場で用いられる文化行動は、そう簡単に均質化するものではない。それはこうした文化行動が、まさしく日々の私たちの社会的実践の中で形作られていくものだからだ。2016/01/09
taka
0
チンパンジーの生態が丁寧に書かれていて、とても興味深く読めた。群れの順位の話で、下位のものは上位のものに頭を下げると記載があったが、猿のころから頭を下げる=従順という意味をもっていたのかと思い感慨深かった。2013/03/02