今年(2025年)の7月に映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』が公開された。関連記事をインターネットで読んでいたら、次の一節を見つけた(MOVIE WALKER PRESS)。「泳ぐTレックス”をついに映像化!...実は、クライトンの原作小説には、コープが脚本を務めた最初の2作でやむなく断念したシーンが存在する。今回、スピルバーグとコープはそれを再現する決意を固めたという。それは、登場人物たちの目の前に、狩ったばかりの獲物を食べ終え、浅瀬でまどろむTレックスが現れるという印象的な場面だ。」 そこで、原著であるJurassic Park(1991年8月に読了)を見直したら、「マイケルの原作小説に登場するあの描写が、僕らは昔から大好きでした。」という場面に戻ることができた。 引用すると、And suddenly they heard an answering roar, floating across the water toward them. Looking back, Grant (古生物学者)saw the juvenile T-rex on the shore, crouched over the killed sauropod, claiming the kill as its own. 映画の『ジュラシック・ワールド』シリーズは原作から独立した展開になってしまって、小さな揺れがシステム全体を崩壊させることがあるという機械による制御では、遺伝子工学による生態系の管理は不可能であることを、著者が問題提起した小説としての意義が喪われてしまうのではないかと危惧している。 これらの作品群が単なる娯楽ではないことを再確認するためにも、本書は読み継がれるべきだと感じている。