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和書リヴァイアサン - クジラと蒸気機関ハヤカワ文庫

評価なし

これはとにかくわくわくさせてくれる本で…

これはとにかくわくわくさせてくれる本です。
　まず設定がわくわくします。第一次世界大戦期のパラレルワールド、世界は二つに分かれています。生物兵器を使うイギリス側と、機械兵器を使うドイツ側。生物兵器といっても、病原菌ではなく、有機物を燃料にして浮かぶ飛行船（だから乗組員の糞尿や緊急時には食料品もすべて燃料として使えます。）、偵察員を運ぶ小型の浮遊生物、敵艦を攻撃する糞にスパイクの混じったコウモリ、すべて遺伝子操作で作られた生き物たち。ダーウィンの子孫や弟子たちが、それらの生き物を作り出しています。対するは、巨大ロボット。主人公の王子も、機械操作が得意なんです。
　つぎにキャラクターたちがわくわくします。
　現実世界でも起こりましたが、皇太子殺害事件（第一次世界大戦の引き金になりました）で殺された皇太子の息子が主人公の一人。母親は貴族ですが、大貴族ではないので、彼も庶子扱いです。しかし切れ者の貴族が教育係につき、彼を王にしようと全力を尽くします。逃亡のさなか、禁じ手も交えてフェンシングの稽古をつけながら、（実際の闘いに備えさせるためですね）こう言います。
「国を治めるのは閣下の権利であり、義務なのです。」
彼は逃亡を予見して、すでに逃亡資金も潜伏用の城も用意済みです。
　対するは、イギリスの女の子。どうしても飛行船乗りになりたくて、男のふりをして軍隊に入りますが、勇気と機転と頭の良さで、頼りにされる士官になります。
　主人公の男の子を全力で助けようとします。
　この設定だけでもわくわくしますよね。わくわくしたい気分の時にお読みください。全３巻です。すべてつながっているので、全部読む必要があります。

タグリヴァイアサン

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