紀伊國屋書店出版部11月の新刊『誰も知らないわたしたちのこと』
5年間の不妊の末に授かった息子には、出生前診断によって重大な疾患が発見された――
いのちは選別できるか――
出生前診断で胎児に重大な疾患がみつかった35歳のフリーランス・ジャーナリスト、ルーチェが、苦悩の末に現実を受け入れるまでのプロセスを、著者みずからの体験をもとに描いて大きな反響を呼んだイタリアのベストセラーです。日本でも4月に「新型出生前診断」がはじまり、「選べないことを選ばされる」時代になろうとしています。団塊ジュニア世代の出産リミットが迫り、高齢出産も増加している現在、多くの方に手にとっていただきたい一冊です。
ローマ賞受賞。イタリア最高の文学賞・ストレーガ賞最終候補作。
「日本では同じような体験をした人間はかなりの数にのぼるにもかかわらず、胎児になんらかの異常がみつかって人工妊娠中絶をえらんだ女性のこのような経験や心情というものは、これまで決して社会の表にでてくることはありませんでした。その意味でもとても重要な意味をもつ小説だと思います。」
東北大学大学院 胎児医学分野教授 室月 淳