2014年01月14日

紀伊國屋書店、玉川大学と電子書籍版教科書の共同プロジェクトを開始

 玉川大学(東京都町田市、学長:小原芳明、以下 玉川大学)と株式会社紀伊國屋書店(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:高井昌史、以下 紀伊國屋書店)は、学生が電子書籍を教科書として使用できる環境を構築する共同プロジェクトの開始に合意いたしました。本プロジェクトでは、紀伊國屋書店の電子書籍プラットフォームKinoppy※を採用し、2014年4月から電子書籍版教科書を順次導入してまいります。

本プロジェクトでは、あらかじめ電子書籍版教科書の使用が認められた授業で学生が紙と電子のいずれかを選んで教科書を購入できるようにし、実際の授業では紙の教科書を使う学生と電子書籍を使う学生が並存することになります。担当教員は学生が電子書籍を使用した場合の学習実態を評価し、紀伊國屋書店はその評価を将来的な電子書籍の利便性・有効性の向上に繋げてまいります。

KinoppyはPC、タブレット、スマホなどマルチデバイス対応で、"いつでもどこでも"使用することができます。したがって、学生は通学の電車の中などの隙間時間でも予習・復習が可能となります。また、重たい紙の教科書を何冊も鞄に入れて持ち運ぶ必要はなく、1台のスマホやタブレットにそれらの教科書を収納することができます。

玉川大学では、2013年4月より、学生が「どれだけの単位を修得したか」を重視する履修主義から「何ができるようになったか」という修得主義への転換を図りました。具体的には、半期の履修上限単位を20単位から16単位に減らし、学生が主体的に学び、確実な力をつけられるよう単位の実質化を行いました。また、学生の自学自習を促すために、授業の前後に予習・復習を行う時間を設定しました。すでに導入しているBlackboard@Tamagawa(e-ラーニングシステム)に加え、電子書籍版教科書を導入していくことで学生の主体的な学びが加速されると考えております。

ここ1、2年で日本における電子書籍の利用はめざましく進んだものの、大学の教科書としてはまだ一部で実験的な取り組みが進められているに過ぎない現状です。学生が教科書を購入する際に紙と電子の好きな方を自由に選べる環境を大学として整備する事例は国内では初めてであり、予習・復習も含めた大学生の学習全体にとって電子書籍という新たなメディアがどのように役立つのかを具体的に検証できる画期的な試みといえます。

紀伊國屋書店は、本プロジェクトを進めて行くことで、未だ十分には進んでいない専門書の電子書籍化を出版社に対して強力に働きかけてまいります。また、同様のプロジェクトを他大学にも広げていく計画です。


※ 「Kinoppy」はスマートフォン・タブレット端末・パソコンにビュアーアプリをダウンロードして利用する、紀伊國屋書店の電子書籍及びビュアーアプリの総称。文芸書など(コミック含む)の一般書を中心に、135,000タイトル(2014年1月現在)の電子書籍を供給しております。