内容説明
「正しい道は遠くにあるわけではありません。 あなたが今見ている道にほかならないのです」
「稲妻のような一瞬の生涯を駆け抜けて、 私たちはみな独りで生まれ、一人で死んでゆく」
1200年の時を超え、今なお私たちの人生を照らす弘法大師の言葉!
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空海が弘法大師であることは誰もが知っていることです。そして、多くの人々が四国遍路をして空海とともに旅をしています。「お大師さん」と親しまれ、信仰者もたくさん存在します。
しかし、その一方で、空海が書いた膨大な著作群に触れている人はほとんどいません。このことは本当に不思議なことです。
空海が天才という理由は、平安時代に中国から密教という一大文化体系を持ち帰っただけでなく、日本初の庶民のための私立学校「綜芸種智院」の設立、日本最大のため池「満濃池」の修築、戯曲的構成で書かれた日本初の思想小説「三教指帰」など、他にも日本初の画期的な事業を多く成し、その業績が非常に多岐にわたっているからでしょう。
この空海をより多くの読者のみなさんに知っていただき、現代にフィットした空海像を描きたいと考えて、口語訳の格言集スタイルとしてまとめたのが本書です。
私たちは、人生の一瞬一瞬で迷い、傷つき、時には死にたいほどの絶望を感じます。そんなとき、この本を手に取って、生死について、少し真剣に思いを馳せてみてはいかがでしょう。
編訳者は『夢をかなえるゾウ』の水野敬也氏の発掘などで知られるカリスマ編集者・川辺秀美氏。
そして監修者として、高野山大学の武内孝善教授にご協力いただいています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
106
空海の言葉を格言の形で、口語訳にしたもの。原文も掲載されている。私にとっては非常に有難い本で、近づき難い存在に感じていた空海が少しだけ身近なものになった。ただし、この本で空海の全体像をつかむことはできないと思う。やはり原文が良い。凛と張りつめた気迫を感じる。詩と呼べるものもあって、空海は詩人としての資質も持っていたのかもしれない。お気に入りの言葉を一つご紹介「弧雲 定まれる所無く、本自り(もとより)高峰を愛す」。2015/02/02
金吾
26
空海の言葉を現代語に訳しています。すごいと感じる言葉や確かにそうだなと思う言葉が散りばめられている一冊です。しかし私自身、空海が何故このような考えに至ったのかわからないままですので表層的にしかとらえられていないなあと感じました。空海の著作は読んだことがありませんので、読んでみようと思いました。2023/06/01
デスカル
18
多少矛盾した言葉もありますが、響いた言葉を(^_^)「人間は皆、屍になる。そう思えば執着は無くなる」「泥沼から這い上がれないのは、己の欲に溺れ利他の精神がないからである」「父母への恩へはどんなことをしても報いることができない」「もっと、人生を自由に遊ぼう」「赤ちゃんだ他ことが昨日のことのように思えるのにもう40になってしまった」「夫婦や親子でさえも墓の下で出会うことはない」2014/09/03
出世八五郎
16
ラスト・バリアというスーフィーの自伝的小説の言葉を思い出した。「様々な寓話は各々の意識レベルにより受け取り方が変わる。」というもの・・・つまり、どんなに優れた寓話でも個人の力量により為にもなれば意味も成さない場合がある。本書も恐らくそのような名言に溢れているのだと思う。・・・___「心暗きときは即ち遇う所悉(ことご)く禍なり。眼(まなこ)明らかなれば則ち途(みち)に触れて皆宝なり。」2016/12/11
yu→
12
図書館に行った時にたまたま手に取った本です。空海についての知識はほとんど皆無に近い感じでしたが、この本を読む事で少しだけ知る事ができました。『膚寸南北に心無けれども、風に遇うときは則ち飛ぶ。』この言葉が好きです。2017/04/20




