システム開発と「具体と抽象」~問題発見と問題解決を往復する「思考のメタ化」を身につける~

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システム開発と「具体と抽象」~問題発見と問題解決を往復する「思考のメタ化」を身につける~

  • 著者名:細谷功【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 技術評論社(2026/10発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784297157906

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内容説明

◆AI時代、「具体と抽象」を往復できる人が、プロジェクトを動かす◆
 システム開発の現場で、こんな思いをしたことはないでしょうか。「で、具体的に何を作ればいいんですか」 経営者の語る構想も、コンサルタントの描く青写真も、いざ手を動かす段になると要件が定まらない。全員が真剣なのに、話が噛み合わない。要件定義で合意したはずが、成果物を見せた瞬間に「そうじゃない」と言われる。立場が違う人の間で、なぜこれほど合意形成は難しいのか。その断絶の正体は、「具体と抽象」という思考の階層の違いにあります。
 本書は、ベストセラー『具体と抽象』をはじめ数々の思考力に関する著作で知られる細谷功氏が、システム開発の現場に焦点を当て、この「具体と抽象」のフレームワークを軸に、現場が構造的に抱える課題の本質とその乗り越え方を体系的に解説した一冊です。主な特徴は、以下の3点にあります。
 1つ目は「立場の違いが生むコミュニケーションギャップの構造を解き明かす」点です。経営者とエンジニア、コンサルタントと開発者、営業と技術。現場で日常的に起きる「話が通じない」問題を、「具体と抽象」の視点から構造的に分析します。なぜ抽象的な指示にエンジニアは苛立ち、なぜ具体的な報告に経営者は物足りなさを感じるのか。その双方向のメカニズムを理解することが、立場を超えた合意形成の第一歩となります。
 2つ目は「思考のOSのメタ化という新しい変革モデルを提示する」点です。これまで「具体」で価値を出してきた強みを捨てるのでも、単にバージョンアップするのでもない。場面に応じて川上と川下の思考回路を使い分ける「メタ化」という第三の道を提唱し、個人にも組織にも適用できる実践的な視座を示します。実装やコーディングで培った力をそのままに、「何を作るべきか」を決める側にも立てるようになる。AIに具体を委ねる時代に、エンジニアが自らの価値を問い直すための核となる考え方です。
 3つ目は「個人・プロジェクト・組織の3層構造で課題を立体的に捉える」点です。個人の思考回路の転換から、プロジェクト現場で頻発する落とし穴の構造分析、さらには組織の成長・保守化のメカニズムまでを一貫して読み解きます。「魚」「釣り方」「川の構造」という独自のアナロジーを通じて、目先のノウハウではなく、問題を生み出す構造そのものの理解へと読者を導きます。
 即効性のあるノウハウ本ではなく、半世紀にわたり解決されてこなかった「なぜ」に切り込む本書は、AI時代に自らの価値の源泉を問い直すすべての作り手にとって、思考の転換点となる一冊です。


■こんな方におすすめ
・「言われたものを作る」から「何を作るかを提案する」側へ進みたいエンジニア、PM、テックリードの方
・顧客への提案力・構想力を高めたいITコンサルタント、プリセールスの方
・DX・AI活用を掲げながらPoC止まりに悩む情報システム部門・経営企画の方
・組織の「思考のOS」を変えたいと考えるIT企業の経営者・マネジメント層の方
・「仕事を頼む・頼まれる」関係で提案に携わる、製造・広告など他業種の方


■目次
第1章 SI業界が抱える課題
・1.1 「言われたことは得意だが、提案が不得意である」
・1.2 なぜ「提案型人材」が少ないのか
・1.3 受動的問題解決から能動的問題発見へ
・1.4 OSのメタ化が必要
第2章 「具体と抽象」とは
・2.1 具体と抽象の基本
・2.2 ITと「具体と抽象」
・2.3 「手段と目的」への応用
第3章 SIプロジェクトと「具体と抽象」
・3.1 川上と川下、問題発見と問題解決、具体と抽象
・3.2 2つの思考回路の矛盾による問題点
第4章 SIプロジェクトにおける落とし穴
・4.1 新規テーマの提案はなぜ受け入れられないのか
・4.2 「投資対効果」の罠
・4.3 「事例調査」の罠
(略)
・4.15 なぜこれらの落とし穴は何度でも繰り返されるのか
第5章 組織の成長と「具体と抽象」
・5.1 「会社の進化」と「具体と抽象」
・5.2 外注化の流れを普遍的に捉える
・5.3 組織の変化に伴う必要なスキルの変化
(略)



■著者プロフィール
細谷功:著述家・抽象アーキテクト。株式会社東芝を経て、外資系/日系のグローバル・コンサルティングファームにて業務改革等のコンサルティングに従事した後独立。著書に『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』(東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)などがある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

R

47
システム開発における川上と川下という話しの本質について、具体と抽象という考え方を軸にしてそれが、他の事案でも適用できるということを解説した本。管理職に特に必要と考えられる抽象化の効用を示しつつ、抽象は具体と対立するものではないことを念入りに説明している。ふわっとしていることを言えば抽象というわけではなく、わかった風とは異なりながらも、方向性や広がりというものを請け負う概念で、具体化と対立をするものではないという当たり前だけども、大変難しい話しだった。この本では、じゃぁどうすればという具体はない。2026/10/18

リットン

7
すごく良い。自分がエンジニアとして仕事をし始めてから、違和感を感じていた雰囲気が、問題解決型の川下の思考に寄りすぎてるのではないかということなんじゃないかと感じ、うまく言語化してくれて嬉しい。でも、エンジニアとしてまずは明確に定義されたissueを実装するところから始めて育つと、確かにその思考は自然だよなとも感じるし、そこからもう一歩視座を上げ、できることを増やしていくには、本書にあるような思考の転換が必要だなあ。特にaiがコードは書いてくれて、具体の問題解決は解決策をくれる時代だからこそ、すごく大事2026/08/25

pinevillageKNG

5
具体と抽象を日本のシステム開発、その中でもSIに当てはめて語る本書。業界で20年働いてきた自分にとっては「そうそう!」と膝を打ち、「何でそこまで的を射てるの?」と舌を巻き、見事な言語化をしていて驚く。 AIにより川下の仕事がコモディティ化していく中、川上の問題発見に思考を変換していく必要があるが、問題発見と問題解決はまったく異なるOSだとしてマインドセットの根本からの転換が必要である事を、様々な具体的事例を紹介しつつ詳かにしていく。 SI業界でいかに生きるべきか、これからを暗示する予言の書だと感じた。2026/10/24

クリアウォーター

4
★★★★★本書は、単なるスキルアップ本ではなく、AI時代に淘汰されないための「思考のOS」転換する(「アップデート」でも「リプレース」でもない「メタ化」という言葉を使っている)ためのものである。本書では「川上と川下の構造的な違い」の理解と対処が必要だという仮説に立脚している。要は「具体化を主とする川下の仕事に最適化された個人や組織は抽象化を主とする川上の仕事には構造的に適応しにくい」ことを認識した上で対策を講じる必要がある。本書を通じて、「具体と抽象」の大切さを知ることができる。素晴らしい一冊だった。2026/08/28

やばこやばこ

4
問題発見型と問題解決型の人間がいる。 今自分は典型的な問題解決型の思考になっている。本を読んでみて心底思い知らされた。問題解決という具体的な手段はAIがすべてやってくれる時代になっている。もう実装ができるとかプログラムが読めるとかそんなのは市場価値としては弱い。そのためエンジニアとしての価値を提供するのであれば、顧客の潜在的ニーズを拾いそれを課題にして提案できるような思考を身につける必要がある。2026/08/18

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