内容説明
お金がなくて、夫婦仲が悪い。子どもの頃は、この両親の元に生まれたことが失敗だった、と思っていた。だから、転職を繰り返しながら、30歳までに一人で暮らしていける基盤を作ろう、と心に決めた。「これから私、どうなるかしら」と不安になることもあったけど、まあ、何とかなるだろうとやってきて、欲しかった着物も買えるようになった。家族から高額なローンを背負わされ、ネコの下僕となって生きているうちに、いつの間にかシルエットが老女の気配を帯びてきた。
自分が思うようには相手を変えられない、身内でもいやな人物からは遠ざかるのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
86
群さん、牙が抜けた?いや、丸くなった感じ(当方比)もうこれが最後のエッセイだとしても何の違和感もなく受け入れられそうな読後感。家族間の諸々は今までに何度も読んできたから、今回はサラッと・・老猫さんを看取ってラストに親の事を思ったあたり、逆にどうした群さんってちょっと感慨深い。この家に生まれて今の群さんがいるんですよ。71歳、私よりちょっと年上の群さん、ゆるく穏やかに生きて下さいませ。2026/09/10
sayuri🍀
26
群さんの新刊は書き下ろしエッセイ。タイトルから物哀しさが漂い、既読エッセイで語られた家族との確執が再び描かれるのではと身構えながら手に取った。けれど本作では子ども時代の記憶や恋愛、転職に纏わるエピソードなども綴られ、新鮮な気持ちで読み進めることができた。ただ、「子どものときにいちばんの失敗だと思ったのは、両親の下に生まれたことだった。」という一文には胸が痛む。家族の形は本当にそれぞれで、誰もが同じ温度で守られて育つわけではないことを思い知らされる。今年72歳を迎える群さんが穏やかな日々を過ごせますように。2026/09/03
toshi
9
エッセイ風自伝。 椎名誠の【哀愁の町に何が降るというのだ。】がもう一つの【哀愁の町に霧が降るのだ 】だとしたら、これはもう一つの【別人「群ようこ」のできるまで】と言った内容。 とは言っても【別人「群ようこ」のできるまで】と重なるのは最初だけで、その後は本の雑誌社を辞めた後の話になる。 その辺のことも、その時々に書かれたエッセイなどで何となく知っていたけれど、やっぱり群ようこのエッセイは読んで面白いので、続編を楽しみに待ちます。 2026/08/30
榛名
5
70歳を過ぎた群ようこさん 一つ違いの林真理子さんも還暦は祝ってもらって嬉しかったが、古稀は嫌だと書いてるので、やはり70と言うのは大きな節目であるらしい 昔から群さんのエッセイはよく読んで楽しかったけれど近年のものは(「〇〇な生活」シリーズとか)単調だしギスギスしてるしつまらなかった でもこれはうまく力が抜けていて、群ようこはやっぱり若い頃から「冷めていて強い人」なんだと改めて思えて良かった かつて「トラちゃん」で魅力的だったお母さんや弟さんが彼女からたかるだけの人になったのは何度読んでも悲しいのだが2026/08/30
hatch
3
群さんのエッセイが好き。 淡々としているのになんだか笑える 年齢を重ねられて若い頃とは考え方やライフスタイルが変わっていっていっても人間の本質は変わらないんだなぁと思う。2026/09/07




