法蔵館文庫<br> 日本の憑きもの―社会人類学的考察―

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法蔵館文庫
日本の憑きもの―社会人類学的考察―

  • ISBN:9784831827326

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内容説明

キツネ憑きやイヌガミ憑きは、はたして「迷信」なのか。村落の近代化とともに急速に失われつつも、いまなお姿を変えて存続する「憑きもの信仰」の背景に、社会統制の機能を見出した名著、待望の文庫化。解説=香川雅信

目次

序 章 「憑きもの」に憑かれて
憑きものの魅力
社会の深層心理への踏査
第一章 憑きものの正体と特色
心的分離としての憑依現象
外国の憑きもの
望ましい憑霊と望ましくない憑霊
家系と結びつく日本の憑きもの
人と動物霊
キツネの正体
イヌガミの正体
蠱道との類縁
オサキの正体
憑きものと性
憑きもの落とし
憑きものの予防
第二章 憑きもの筋
結婚のタブー
ナマヅル
憑きもの筋の形成
江戸中期に発生か
隠岐の人狐の話
冨をつくる憑きもの
筋と階層
筋の伝播(山陰・四国)
縁切り
筋の伝播(関東)
憑きものの内在性と外在性
家系・血筋をひく妖術
筋の集団化
第三章 憑きものの社会的意味
死霊が憑く
祖霊と親族
憑く憑かれるの関係
社会的潤滑油
憑きものと村落社会
家単位の憑きもの現象
イギリスの妖術との比較
憑く人の特徴(日本)
憑く人の特徴(外国)
憑かれる人の特徴
社会統制の機能
不幸を説明する機能
嫉み深い憑きもの
村落構造の維持機能
妖術の盛んな社会の特色
憑きものの社会的条件
憑きもの筋の持続
あとがき
注
解説(香川雅信)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

17
キツネツキ、イヌガミなど日本各地の憑きものを人類学の視点から、世界各地の憑きものや使い魔などとも比較しつつ考察。地域にもよるが憑きもの筋とされる家は貧しい家というより新参者の成金が憑きものすじとされてしまうことが多いく、憑きもの信仰は妬みや怨みの吸収といった形で人間関係を潤滑にしたり集落の連帯性を高めるといった、一種の社会統制的な機能があったようだ。憑きもの筋の家同士で連帯して選挙で自分たちの支援する候補を当選させるといったこともあるらしい。当事者からしたらたまったものではないのだろうが、面白い。2026/08/18

蝶子

5
法蔵館の本初めて読んだかも。私の中で因習村やオカルトが流行っているので、学術的な側面からも攻めていくかと思って買った。薄い文庫だし。笑 本文が書かれたのは1972年で50年以上前。現地でフィールドワークをしたのはその数年前。でも一応戦後なんだよね?私の脳内で戦後急に日本が科学的になったという勘違いがあった。1970年代でも隣の家の未亡人がキツネ憑きでうちの娘に憑いて云々としてたのかと思ってびっくりした。あとめちゃくちゃ偏見ですが東北より中国四国の方が憑きもの筋と呼ばれる家が多かったらしい。。2026/10/19

Masaki Maruyama

1
1972年に中公新書で刊行された名著の復刻版。私は「キツネモチ」「イヌガミモチ」「オサキモチ」という言葉や現象を知らなかったが、差別や偏見に結び付く一方で共同体内での規律を維持していく機能もあったという。こうした俗信そのものは今日、ほぼ消滅しているだろうけど、「あの家が財を成したのはキツネのせいだ」というのと、「上級国民」みたいな考え方は同根だろう。著者・吉田禎吾先生は大学の講義で「文化人類学」を教わった。本書の内容はデリケート過ぎて、大教室では語れなかったのだろう。2026/09/21

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