内容説明
『凍』を書くきっかけとなった一冊、モハメッド・アリの劇的な人生の行方、『深夜特急』に繋がる映画「ミッドナイト・エクスプレス」との出会い、取材のために働いた書店での日々、新鮮な気持ちで歩いた大阪での濃い三日間……。本を読み、スポーツを観戦し、映画を楽しみ、そして旅をしてきた。心を動かすものはずっと変わらない。本に誘われ旅に出た30年間の軌跡を辿る豊潤なエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
104
沢木さんの「旅のつばくろ、ふたたび」につづくエッセイ集です。本について5つの章(「本を買う」「本を読む」「本を語る」「本を編む」「本を売る」)に分けられていてそれぞれに印象に残る話が収められています。私は「アリへの視線」「山本周五郎との遭遇」「秋に売る」が楽しめました。それにしても決まっていた就職先(富士銀行今のみずほ銀行)をやめたのは正解ですね。こんなに本を読めて多くのノンフィクションを書けたのですから。2026/09/25
あすなろ@no book, no life.
102
幼き日、貸本屋の左側にあると父親に告げられ本を手にした日。そんな読書遍歴契機等が語られる沢木氏の本に関するエッセイ集。否、本に対する愛が語られるエッセイ達か。本と読書とそれに纏わる想い出をも沢木氏が書く。三島由紀夫・山本周五郎・井上靖各氏も出てきてそれらに対する想いや批評も読み応えあり。腹這いになり脚をぶらぶらさせながら本を読んだ幼き頃の甘美なる時間は今も変わらないのだとされる沢木氏。それは我等読書人にとっても同じであり、沢木氏らしい筆でその気持ちや昂ぶりを正鵠に表して示してくれているのであった。2026/09/19
Book & Travel
37
先日の「途上の王国」に続いての沢木さんの新刊(こちらは文庫新刊)。本についてのエッセイや書評を集めた一冊である。自宅と職場を行き来する暮らしぶり、その中での本との関わり、地域の本屋事情を書き綴ったプロローグが良く、冒頭からいきなり引き込まれる。本編は若い頃から最近のものまで様々な年代で書かれたものが収められていて、中でも天神橋筋商店街の古本屋を巡る大阪の旅の話、モハメド・アリの人生を綴った章が特に心に残った。書評はかなり昔の知らない作品も多いが、旅や他の作品に繋がるものが多く、こちらも興味深く読んだ。2026/10/09
piro
36
本に関するエッセイを集めた一冊。沢木さんの読書遍歴だけで無く、本を書くこと、編纂すること、そして売ることまで様々な形で触れられていて興味深いエッセイ集でした。とは言え、やはり一番興味を引くのは数々の作品を評したエッセイ。幼い頃から多くの本に触れられてきた沢木さんだけにジャンルは広く、奥行きも深い。直接沢木さんと接点があった著者の作品も多く、作品のみならず著者のバックグラウンドまで知ることができる所も面白い。気になる本もいくつかあったので、そのうち読んでみたいと思います。2026/09/22
ハッピーえんど
20
本をテーマとしたエッセイ集。 「秋に買う」は、私も天神橋筋商店街が大好きなので、風景を思い浮かべながら楽しく読ませて頂きました。 沢山の本を紹介しているが、読んだことがない作品でも興味が湧くものが多かったです。特に「ノンフィクションの夢」で紹介された「死のクレバス」は印象に残りました。 「紀伊國屋梅田店」の店員体験記も面白かったです。2026/11/01




