内容説明
【小説すばる新人賞 受賞後第1作!】
俺は本来、ランナーを名乗ってはいけない人間だ。
己の役割も知らず、ロードの上を幽霊のように今もこうして彷徨い続けている。
実業団の長距離ランナー・柴田光輝は、脚の故障により選手を引退した。
しかしそれは不慮の事故ではなく、終わりなき競争の日々に疲弊した柴田自身が仕組んだものだった。
思惑通り実業団を辞めることに成功した柴田だったが、
地方の保険営業所に異動させられ、悪質な保険セールスに携わるなか、次第に精神をすり減らしていく。
そんなある日、柴田は「ブラインドランナーの伴走者をやらないか」と誘われ、再び陸上の世界に舞い戻ることに。
それは「なぜ走るのか?」という問いに向き合う旅路のはじまりでもあった。
己の存在証明にひた走る、
ひとりの青年の軌跡を描いた異色の青春譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
160
逢崎 遊、初読です。ブラインドランナー&伴走者の物語も初めてです。あまり期待せずに読んだら、予想外の佳作でした🏃🏃🏃 https://www.chuko.co.jp/tanko/2026/07/006040.html2026/09/04
えんちゃん
62
箱根も走った実業団ランナーが競技を引退し、ブラインドランナーの伴走をしながら己の走る意味を問う物語。あらすじだけだと感動スポーツモノって思うけど、チチチ、そんな安直な話じゃない。子供の頃から足が速かった。でも自分の記録には興味がない。ではなぜ自分は走るのか。自分を傷つけ相手を傷つけ、心身ボロボロになってやっとたどり着いた答えが、もー自分勝手なんだけど、しっくりきちゃったのです。本当に嫌な奴だし理解なんか出来ないんだけどね。妙に清々しい読後でした。2026/09/09
コリディ
18
8点。体育会なり営業なりは洗脳されるのか、今考えるととんでもないことを当たり前のように受け取って行動していたなあ。私は適度に手を抜いていたのでそれ程気にならなかったが、真面目な人にとっては結構つらい展開が続く。ラストはあまり意味が分からず、上手くいきすぎるが、相変わらず素敵な文章。逢崎さんは周りに登場する、普通の人の良い人が魅力的。元職場の長谷川さん、県庁の木下さん、両親。今後も追っかけます。2026/10/18
雪丸 風人
15
破滅願望すれすれの自我が突き刺さる!主人公は確固たる意志のないまま不器用に生きてきた男。社会人ランナーの道を離れた彼が、視覚障碍者の伴走をするなかで、自分の存在意義を見つめなおしていきます。とことん後ろ向きな青年の迷走に引き込まれました。好きになれないのに目が離せないんです。スポ魂で青春!みたいな筋書きとは一線を画したドラマですが、エモさは抜群。特に中二の持久走パートの爽快感と終幕にかけてのがむしゃらな激走に痺れましたよ。応援されるのを恐れていた男の新たな一面に要注目です。(対象年齢は14歳以上かな?)2026/08/18
jolly
4
これはおもしろい。読ませてわかりやすく展開してくれる。これでいい。ブラインドランナーの勉強になった。週末は3ヶ月ぶりの釣り。小さ目ばっかだけどひさしぶりの大漁。 2026/09/25
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