内容説明
人間は、これほど無責任で強欲になれるのか――。企業乗っ取りから地面師まで、経済記者歴20年の著者が、会社を喰い尽くす奴らを地の果てまで追いかける。被害者も加害者も入り乱れ、嘘も事実も混然一体となる経済事件。魑魅魍魎が跋扈するM&A業界のダークサイドに迫り、人間の業を描いた本格派経済ルポルタージュ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
105
最近盛況である中小企業のM&A。船井電機、ミュゼプラチナム、内田建設などのケーススタディが紹介される。悪人が一人もいない小説とは対極で、ここにあるのは、善人が一人もいないドラマ。売り抜けたい売り手、買収会社から資金を吸い上げたい買い手、手数料がほしい仲介会社の三者の欲が絡み合う。確かに、不動産取引のように業法が整備されていないことの不備は指摘の通りだが、そもそも、事業継承に対する情熱や従業員や取引先に対する思い入れとは無縁の、全てをカネに換算するだけの強欲資本主義の象徴を、M&Aの事例にみる思いがする。2026/08/20
読特
53
老舗家電メーカーの船井電機、脱毛サロンのミュゼ、足立区を地場とする内田建設、名前の伏せられる工業所。彼らはなぜ窮地に陥ったのだろうか。…事業を現金に換え、債務保証を外して、早く安心したい創業家。買収先の資産が欲しい買い手。中を取り持って、手数料を稼ぎたい仲介業者。3者の思惑。時にそれは暴走する。吸い取られる会社の資金。押し付け合いになる責任。置き去りにされる従業員と顧客たち。…せっかく築かれた産業。継承されていかなければ国の損失にもなる。まだ、歴史の浅いこの領域のコンサル業。健全化されていくことを願う。2026/09/23
読書一郎
16
経済ノンフィクション。いや、すごいの一言ですね…数年前に謎の破産をした船井電機、その元凶とされたミュゼ、から始まり、怪しいM&Aの話が次々に紹介されます。事業承継のつもりで会社を売却したら、預金残高をすべて取られて倒産、みたいな話がたくさんあるのですね…すべて実話ですが、出てくる人出てくる人がみんなうさんくさい(笑)。「地面師」事件にかかわった人も登場します。私も仕事がらみで多少はかかわりがあった分野なので、出てくる人や会社に結構なリアリティをもって読みました。気をつけないといけませんね…2026/10/15
はやたろう
14
中小企業へのM&Aの実態は、金への欲にまみれた醜い奴らばかり。だれもが自分の欲にくらみ、自己都合で物事を語っている。人間の醜さが凝縮されている。こんな世界にはかかわりたくない。この人たちはそんなに金が欲しいのか。それが幸せなのか。奇しくも世界の船井電機もこの餌食になってしまった。嫌な奴がこんなにいる世の中が嘆かわしい。2026/10/14
キタ
13
きっちり取材しているし、専門用語も分かりやすく解説されてたり、経済に詳しくない人でもノンフィクション好きなら読める内容だと思う。時系列に登場人物の発言が生々しく、臨場感があり参考になった。今のM &A業界は両鳥の世界だからここもそろそろ規制が入りそうですね。 M&A業界に少しでも興味ある方は読むのオススメです。2026/08/08




