内容説明
戦後日本は、戦死者への負い目を忘れ、平和と繁栄を享受した。なぜ私たちはかくも過去を忘却できてしまうのか。本居宣長、折口信夫、柳田國男、小津安二郎、三島由紀夫、丸山眞男らを手がかりに、「家」が崩壊し相対主義が蔓延する現代の虚妄を突き、欧米的「作為」とは異なる「自然」の世界観を解き明かすシリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
118
日本人は歴史とは積極的に参加するものではなく、あるべきところへ「おのずから」収束すると思ってきたと分析する。しかし明治には「歴史とはつくるもの」という西洋流の考え方が流入し、新政府も正統性担保のため神としての天皇中心国家との歴史観を創造した。この急造歴史意識に基づく戦争で敗れると、軍国主義は一夜にして民主主義に豹変し三島由紀夫が「などてすめろぎは人間となりたまひし」と嘆いた戦後社会が生まれたと。歴史に主体はなく運命の結果と見る日本人の精神構造は、令和の今も無意識に囚われている不治の心の病なのかもしれない。2026/10/11




